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少年少女の戦極時代U
オーバーロード編/再
第44話 vsデェムシュ! 共闘トライアングル
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斬りかかる。その攻撃の三番手に月花はDFロッドを叩きつけた。微々たる力だと分かっている。だからといって何もしないほど、月花は殊勝なアーマードライダーではない。

 鎧武と斬月がソニックアローを番えた。心得て、月花も手に持てるだけのDFボムを空中に投げ、――DFロッドをバット代わりにボムを打った。

 レモン色と翡翠色のソニックアロー、さらに爆撃による三重の弾幕。さすがの赤いオーバーロードも地面に転がった。

 すると、起き上がった赤いオーバーロードが、手から月花の身長ほどもある直径の火球を撃ち出した。

『きゃう!?』
『咲ちゃん! ……っく!』

 咲を火球の軌道から突き飛ばした鎧武を火球が掠めた。

(守られてるだけじゃだめだ。いっしょにがんばるって、ヤクソクしたもん!)

 月花は構え直し、カッティングブレードを3回落とした。

《 ドラゴンフルーツスパーキング 》
『よっ……っと、とあ、た、とと!』

 月花はふらつきながらも、自分の体ほどあるDFボムを頭上に形成した。その巨大DFボムを、

『そぉりゃあ!』

 飛来した火球に、思いっきりぶつけた。火球とDFボムが相殺し、鎧武に当たるはずだった火球は消えた。

『やた……っ』
『まだだ!』

 火球が斬月に向かっている。もう一度。月花は急いでDFボムを生成しようとした。だが、間に合わない――

 月花の予想は、火球と斬月の間に飛び込んだブラーボの、捨て身の行動によって覆された。
 火球のダメージでブラーボの変身が解けた。凰蓮は大きく倒れ、斬月に支えられている。

(あれ? この人、あんがいイイ人?)

 子供ならではの視点から出た解に、月花は首を傾げた。

 赤いオーバーロードが再び立ち上がる。今度はちゃんとDFボムを当ててやろうと月花は構えた。
 しかし、どうしたことか。赤いオーバーロードは膝を突いて頭を抱えた。

(え、なに? なにが、どうなって)

 その内、赤いオーバーロードは視えない圧力を振り払うようにして、赤い霧となって駆け去った。
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