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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第360話】
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――1025室内――


 楯無さんは去り、目の前には負のオーラを漂わせているシャルが一人、その場に立ち尽くしている。

 いつもは輝きを放っている金髪も、どこかしら負のオーラの影響からかくすんで見えるのは気のせいだろうか――と、シャルが一歩前へと足を進め、俺との距離を詰める。


「……ヒルト?」

「は、はぃ」

「……楯無さんと、何してたの……? さっき楯無さんが言ってた【男と女が部屋で二人きりでする事って数えるほどしか無いじゃない】って――そういう意味……?」


 徐々に、徐々にと俺との距離を詰めるシャルに、俺は後退り――と、背後にあったベッドに引っ掛かり、背中からポスッとベッドに落ちていく。


「ま、待てシャル――あ、あれは楯無さんがこの事態をややこしくする為の罠だ!」

「……本当? ……でも、楯無さん綺麗だから……実は……?」


 何故か疑問系で訊いてくるシャル――いつかの時の様に、シャルは俺に跨がると下腹部に腰を下ろし、真っ直ぐと見つめてくる。

 虚ろなアメジストの瞳が、俺の視線と交差する――こんな状況なのに、ドキドキし、ちょうどシャルのお尻に俺のが当たる体勢の為か、欲望の塊が構築しないように細心の注意を払いつつ俺はシャルに――。


「し、シャル……?」

「なに?」


 透き通る様な声だが、妙なプレッシャーも少し感じる――俺と楯無さんの間に何も無かったのだが、状況が状況だ――下手に言っても言い訳にしかならないだろう。

 だからといって、今の状況は正直芳しくない。

 どうしたものかと思い悩んでいると突如――。


「ぷっ……ふふっ……」


 表情は見えなかったが、何やら可笑しいのか突然吹き出したシャル――。


「あはは♪ ひ、ヒルトったらそんなにビクビクしちゃって♪ 怒って無いから、さっきのだって楯無さんの嘘なんでしょ?」

「え? あ、あぁ……て、てかそう言ったじゃん!」

「あはは♪ だって、ヒルトったら何だかさっきの言い方だと浮気がバレた男の子みたいだったんだもん。 ……ふふっ、怒って無いから安心して? ね?」


 ニコッと笑顔でそう言うシャル――その笑顔は本物で、疑う余地は無いだろう。

 内心安堵しつつ、俺は身体を起こす――と、俺の下腹部に跨がっていたシャルと近いため、自然と身体に熱を帯びるのを感じた。


「ふふ、ごめんね? ……でも、僕だってヤキモチ妬くんだからね?」

「ぁ……ぅ……ごめんなさい」

「……ふふっ♪」


 こつんっとシャルは俺の額に、自分の額をくっ付けてくる。

 鼻の頭が触れ合い、少しアヒル口をすればキスも可能な程の距離だ。

 ――と、シャルは額を
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