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魔法科高校の神童生
Episode26:敗北と事の終わり
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事を返す隼人。それに満足気に頷いてから、鈴音は病室を後にした。
彼女の頬が薄っすらと紅くなっていたのは、誰も気づかなかったという。



☆★☆★



その日の夜。九十九スバルはとある人物から呼び出されて廃墟に足を運んでいた。
今回は暗殺者としての依頼ではなく、ただ出身高校の後輩からの呼び出し。勿論普通なら、お前が出向いて来いという筈なのだが、内容が内容だけに今回ばかりはそういうわけにはいかなかった。
薄暗い廃墟の中に足を踏み入れると、そこには呆れるほどに濃い存在の男が一人で立っていた。

「十文字家の次期当主ともあろう人間が、こんな夜中に一人でほっつき歩いていていいのかしらね?」

少し皮肉気に言ってみるが、もちろん彼からおもしろい返答が返ってくるわけもなく、予想通りの答えが返ってくる。

「賊程度ならば、負けはしません。それより、先輩の方こそ、あの九十九家の代理当主がこんな時間に出歩いていてよいのですか?」

「構いやしないわ。それに、賊程度なら叩き潰せる」

目の前の後輩、十文字克人よりもより過激な表現を使って彼の質問を一蹴する。

「それで、態々こんなトコに呼び出したんだから、それなりに重い話なんでしょうね、十文字会頭殿?」

「ええ、あなたの弟についてです。九十九前風紀委員長殿」

スバルの雰囲気が変わった。今までの飄々としたものから一転、戦闘時のような威圧感を発するようになる。

「聞かせなさい」

命令するような口調に、克人は苛立ちではなく若干の懐かしさを覚えた。スバルの高校時代、よくこんな風にこき使われていたものだと感慨に浸る。
だが、この状態のスバルの場合、待たせすぎると碌なことにはならない。それは三年間の付き合いで分かり切っていた。だからこそ、克人は回りくどい言い方をしないことを選んだ。

「この間のブランシュの拠点を叩きに行った時のことです。九十九が正体不明の魔法師と戦闘していたのを見ていたのですが。一度、殺されかけたとき、九十九を中心として破裂音が響き渡り、周囲のものが空間の歪に消えていくのを見ました……その現象はすぐに止まったのですが。あれは一体、なんなのですか?」

「……」

ある程度予想できていた事態に、しかしスバルは歯噛みした。
破裂音が鳴り響き、辺りのものを消し去った。これは、明らかに暴走だ。しかも、隼人の持つ最も特異で、厄介な消失(デリート)の。

隼人は生まれつきのBS魔法師として、櫂とセラの能力を受け継ぎ、そして新たに自分の能力も宿していた。その内の一つが消失(デリート)だ。

消失(デリート)は、隼人が設定した対象を消し去るという、魔法と言っていいのかすら微妙なもので、その本質はほぼ全てが謎である。
わかっているのは、隼
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