Episode26:敗北と事の終わり
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イミィの家は、右に曲がって更に奥の一軒家だ。
「はぁ…エイミィに暗い顔させちゃったなぁ」
彼女は、かなり昔からの付き合いだ。幼馴染み、というには少し出会いは複雑で血生臭いものだったけど。
いつもは天真爛漫という言葉が似合う彼女だけど、なぜか俺が絡むとその明るさに影がかかる。嫌われている、ということではないらしいけど。
「やっぱり、心配させてるんだよね…」
エイミィは、俺の葛藤は知らないだろう。当たり前だ、そうしないように振舞っているのだし、そもそも俺が人殺しをしていることすら知らない。だけど、俺がなにかに悩んでいることは気づいている。
エイミィはああ見えて心配性だから、必要以上に心配してくれているのかもしれない。
「なら、これからは心配かけないようにしなくちゃねー」
例えそれが己の葛藤を己の中に塞ぎ込むことになってもだ。
俺の葛藤を、引いては俺の殺人行為を彼女に知られてはならない。だって俺は、彼女の中では正義の味方でなくてはならないのだから。
その誓いを守る為ならば、俺は幾らでも仮面を被ろう。彼女の前では、俺という存在を、殺そう。
「そうでなくちゃ、彼との約束は果たせないからな」
俺の呟きは、誰に聞かれることもなく、暗くなり始めた空に消えて行った。
----to be continued----
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