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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第47話 嘘吐き全快!! まとめて拉致れるか?
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いたなら、タルブが困窮する事は無かったのでしょうね」

 母上は安堵の声を上げました。並行世界とは言え、領民が不幸で無かった事に安堵しているのでしょう。いや、思考を無理やり逸らしただけか?

 ちなみにアストン伯とは、陛下を迎える際に(陛下を慕い)付いて来た元アルビオン貴族です。当然王権強化を掲げる王党派で、運営が難しいラ・ロシェール(貴族派の横槍や商人達の勢力争いが原因)の代官職をこなす優秀な文官です。まあ、その一方で軍事面には弱く、レコンキスタ相手にアッサリ戦死していましたが……。

「きっと難しいラ・ロシェール運営を認められて、陛下から領地を賜わったのでしょうね」

 母上は感慨深そうにしていますが、陛下の死後に体よく左遷されたと言うのが本当の所でしょう。

 これは黙っておいた方が良さそうですね。そう判断した私が本題に戻そうとした所で、今度はディーネから横槍を入れられました。

「アンリエッタ姫を異常に避けるのも、その“ゼロの使い魔”と言う物語が原因ですか?」

 答えにくい事をズバリ聞いてくれました。私が普段口にしている理由では、これほどまでに避ける理由にはならないので仕方が無いでしょう。

「……はい」

 一応肯定だけして“これ以上聞くな”と、ジェスチャーしておきます。色恋沙汰で“国を何度も滅ぼしかけたアホ姫”とは言えませんから。更に言うと“恋愛対象が私になりかねない”とか、自意識過剰な理由なんて言えません。(あながち否定出来ないのが恐ろしい)色恋沙汰で王党派(王家・ヴァリエール家・ドリュアス家)が分裂なんて本気で勘弁です。原作通り、貴方はウェールズ殿下に惚れてください。彼は助けてあげるから。

「本題に戻します」

 私がそう言うと、母上達の顔が引き締まりました。

「ガリアのオルレアン公には、双子の娘が居ます」

「なっ!!」

 驚いたのは母上だけで、ディーネとアナスタシアはキョトンとしています。

「ガリア王家で双子は禁忌とされていて、最悪生まれて直ぐに片方が殺されます。王家に生まれた双子の兄弟が、王権をかけて国を割り殺し合ったのが原因らしいですが……。まあ、下らない貴族のしがらみと言う奴ですね。もしバレた場合、オルレアン公にとってスキャンダルになります」

 念の為、ディーネとアナスタシアに補足を入れておきます。

「1人は姉で、王家に残っているシャルロット。もう1人は、居なかった事にされた妹のジョゼットです。ジョゼットは生まれて直ぐに、ロマリアが経営する修道院に預けられました」

 ロマリアと言う言葉を聞いた途端、母上とディーネの眉間に皺が寄りました。

「私はこのジョゼットを、秘密裏に救出したいと考えています」

 現状が分かっている母上は頭を抱えてし
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