暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第47話 嘘吐き全快!! まとめて拉致れるか?
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「話とは……」

 そこでいったん言葉を止め、母上、ディーネ、アナスタシア、カトレアの顔を順に見ました。そしてもう一度心を落ち着かせ口を開きます。

「私が何故ルイズの魔法系統を知っていたかです」

 そして私は長い説明を始めました。まず前提条件として“物語と因子の流転”の話をします。

「……創られた物語は、因子となり世界より漏れ出る。因子は新たな世界を創りだす。創られた世界は因子を還す。世界が因子を取り込み、人は新たな物語を紡ぎだす。

 これが“物語と因子の流転”です」

 私が説明を終え言葉を切ると、母上達は難しい顔をしていました。まだ本題に入っていないので、先行きが少々不安です。

「そして(マギ)の世界に、“ゼロの使い魔”と言う物語があります。その物語の主要人物の1人が、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。そして主人公は、その使い魔となる少年です。物語は彼女が、トリステイン魔法学院の使い魔召喚の儀式で少年を呼び出す所から始まります」

 私はそこまで言うと、語るのを止めました。ディーネが目で“続きは?”と聞いて来たので、私は目を瞑り首を横に振ります。

「物語の内容については、知らない方が良いでしょう」

 私がそう言うと、ディーネはうつむきます。反論や質問が無いと思った私は、本題に移ろうとしましたが母上がそれを止めました。

「その物語には、ドリュアス家は出てこない。……いえ。ドリュアス家自体が存在しない。違う?」

 私はその言葉に答える事が出来ませんでした。

「ギルバートちゃんは、何より自分の存在がイレギュラーと考えているのでしょう。そしてギルバートちゃんが居なければ……いえ、あの時ギルバートちゃんが泣いてくれなければ、私は生きて居られなかったでしょう。そしてそれはアズロックも同じよ」

 私は“自身の存在がイレギュラー”であると言う考えを、完全に捨て去る事が出来ていません。その事実はカトレアだけでなく、父上、母上、ディーネにも気付かれているのは知っていました。アナスタシアも理屈ではなく本能的にそれを感じ取っているのでしょう。(だから、べたべたと甘えて来る)

 本来は無いはずの物が在ると言う矛盾。だから母上は、ふとした瞬間に本来の道筋を考えてしまうのでしょう。そしてそれが、母上にとってどれだけの絶望だったかも……。

 私は嘘を吐きたくありませんでした。だから、以前父上と母上の前で「純粋な貴方達の子供である。ギルバートは、もう存在しません」と、言い切った時の様に事実だけを突き付けます。

「はい。その物語の中に、私はおろかドリュアス家も存在しません。タルブ領の領主名もアストン伯とありました」

「アストン伯……ね。あの人が治めてくれて
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