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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第47話 嘘吐き全快!! まとめて拉致れるか?
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ギルバート様からは伝言を頼まれていましたが、突然あのような場に通され……」

 困惑したようなしぐさをして見せると、アズロック様は盛大に溜息を吐いた。

「逃げられたな。だがどうやって……」

 やはり父親にはバレバレだな。しかしまさか、勘だけで回避したとは思わないだろう。

「ギルバート様が居ないと、何か不味い事があるのでしょうか?」

「いや、そう言う訳ではない。もしギルバートが居れば、陛下から勲章を賜われたかもしれないと言うだけの話だ。それにギルバートは、私の陞爵式に出席しなかったから、これを機に顔を売っておくべきだと思ってな」

 ……やっぱり当たりだったか。

「それは良かったです」

 アズロック様の眉間にしわが寄る。

「何故かね?」

「他の貴族から余計な妬みを買わずに済みましたから」

「!!」

 ギルバート様の立場と心情を良く理解した一言に、アズロック様はぐぅの音も出ない様だ。と言うか、ギルバート様の歳で勲章なんかもらったら、如何なるかくらい想像してほしい。

 いや……想像出来ても、せざるを得なかったんだろう。立場って面倒だな。

「それはそうと、ギルバート様から預かって来た物があるのですが……」

「?……分かった。とりあえず私の執務室で良いか?」

「はい。ヴァリエール公爵を通して、王家へ献上する品との事です」

「分かった。公爵も呼ぼう」

 アズロック様がそう言うと、この場の話は終わりなので執務室へ移動する。



 献上品を見たアズロック様とヴァリエール公爵は頭を抱えていた。

 私は良く分からないのだが、ガラスの置き物は過去に例の無い一品であり、杖の方に至っては国宝級と言って良い品であるそうだ。

 その所為か、場に献上品を無かった事にしたい雰囲気が出て来た。なので公爵には、一応釘を刺しておく。

「ヴァリエール公爵」

「なんだ?」

「例の杖はカトレア様が既にお受け取りになっています。大変喜んでいらっしゃいました」

「ぐぬぅ」

 もはやうめき声しか出ない公爵。この杖を作る様に意見した事を後悔しているのだろう。正に口は災いの元だ。巻き込まれたアズロック様には同情する。

「では私はこれにて失礼します。くれぐれも製作者については、ご内密にお願いします」

 最後に念を押すと、恨みがましい目で見られてしまった。私が悪い訳ではないのだが。

 魅惑の妖精亭に戻ると、既にレン(猫ver)が待っていた。酷く草臥(くたび)れた様子なのは何故だろう?

「では、いったんゲルマニアに向かい、船を購入・偽装してガリアに向かいます。クリストフ様とドナルド様には、引き続き護衛をお願いします」

 2人が了承して
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