暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第47話 嘘吐き全快!! まとめて拉致れるか?
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、認めたくないだけで分かっている様ですね」

 思いっきり憐みの表情をしてあげました。

「そ それは……」

 はい。途端に黙り込んでくれました。分かりやすいです。自身の仕事を考えれば普段気にかけていないだけで、思い当たる節などいくらでもあるでしょう。

「少なからず身に覚えはある様ですね。あなたの立場には同情します。しかし私達の目的は、あくまでジョゼット様の安全を確保する事です」

 そう言ってからジョゼットに向き直ります。

「では、ジョゼット様。まいりましょう」

 そう言ってジョゼットの手を取ろうとすると、手を引っ込められました。ジョゼットも修道院内に友達は居るでしょうから当然の反応です。

「ジョゼット様?」

「わたし。行かない」

「何故ですか?」

「修道院が危険って、如何言う事なの?」

「申し上げられません」

 一瞬だけ修道女達を見てから返答します。

「みんなは如何なるの?」

「申し上げられません」

 今度はジョゼットから明らかに目をそらし返答しました。

「なんで話せないの?」

「この場では申し上げられないのです。この修道院を離れれば、直ぐにお話しします」

 今度は目を合わせ、すまなそうな……しかしハッキリと言います。

「何も話してくれない。そんな人と一緒に行けない」

 ジョゼットが私を涙目で睨んできます。ちょっと心が痛みますね。

「それは私に、話せと命令しているのでしょうか? そして、話せば了承していただけると言う事ですか?」

「えっ!?」

「この場で話せとのご命令なら、仕方がありません。お話しします」

 この場の決定権はジョゼットにあると暗に言ってやります。……子供相手に最低だな。

 ジョゼットは、必死に「話させてはいけません」と言う修道院長と、助けを求める修道女達の板挟みにあっている様です。修道院長は己の職務を漠然とこなそうとしているだけですが、修道女達は(修道院が危険=自分達が危険)と言うのを察した様で必死です。

「話し……なさい」

 ジョゼットは修道女達の願いを優先しました。慣れない口調で命令を口にします。

「はい。それでは簡単にご説明いたします」

 全員の注目が私に集まります。

「この修道院は、訳ありで表に出せない高位貴族の子女を秘密裏に預かる施設です。逃げ出す事が出来ない立地や、顔や髪色を変える聖具を身につけさせている事から、この事が事実であると察していただけると思います。それに途中から修道院に来た聖女なら、私の言葉が事実であると知っていると思いますが?」

 何人かの修道女に目線が集中しました。聖女とは途中から修道院に入れられた者を指す隠語です。その隠語を知
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