暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第47話 嘘吐き全快!! まとめて拉致れるか?
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てください」

 私の言葉に、ファビオが短く「はい」と返事しました。

「突入班は私と共に来てください。日没と共に仕掛けます。分かっているとは思いますが、ライトニング《稲妻》等の光や音が出る魔法は厳禁です」

 突入班は、私、カトレア、ティア、クリフ、ドナの5名です。本当はもう少し人数を増やしたいのですが、接近する前に気付かれる可能性や修道女達を委縮させてしまう事を考慮して人数を限界まで絞りました。

 岩陰などを利用し、慎重に近づきます。結界や侵入者感知の罠も警戒していたので、想像以上に時間がかかりました。既に日は傾き、空は赤く染まっています。

「カトレア。大丈夫ですか?」

 一見平気そうにしていますが、念の為に体力面で劣るカトレアに確認します。ちなみにティアは、小鳥に化けて偵察に出ています。

「大丈夫よ」

 カトレアの顔を見て、問題無さそうと判断した私は頷きました。

「私もインビジブルマントを使い、偵察をして来ます。それまでここに隠れて休憩していてください」

 全員が頷くのを確認すると、足跡がつかないように注意しながら修道院に近づきました。

 窓から中を覗くと、修道女達がお喋りしながら廊下を歩いています。話の内容は、ちょっとした失敗談や食事のメニュー等の実にたわいない物でした。彼女達の今の生活を壊す事に、若干の後ろめたさを感じながらも情報収集を続けます。ついでにティアに服を渡しておきました。

 私は晩の祈りの開始を確認してから、カトレア達の所に戻りました。

「ギル。お帰りなさい」

「ただいま戻りました。修道院の人間は、晩の祈りで礼拝堂に集まっています。日が完全に落ちていれば、このタイミングで突入するのが一番なんですがね」

 私がそうぼやくと、カトレアが「それは仕方が無いわ」と労ってくれました。

「夕食中に日が完全に沈みます。その時に仕掛けます」

 私はそう言いながらしゃがむと、地面に簡単な見取り図を描き始めました。それを全員で覗きこみます。

「突入時に目標が集まっている場所は、食堂と赤ん坊が居る育児室です」

 私は食堂と育児室を順番に指さします。

「出入り口は、正面と裏……それに礼拝堂に有る3カ所です。礼拝堂は私が《錬金》で塞ぐので、クリフとドナは裏口から侵入して育児室を押さえてください。突入の合図はティアにさせます。カトレアと私は正面から入り食堂を押さえます。杖を持っている者が居るかもしれないので十分注意する事と、絶対に修道女を傷つけないでください」

 ティアも含めた全員が了承したのを確認すると、私達は夕食が始まるのを待ちました。

(夕食が始まった様じゃ。食堂と育児室に全員集まっておるぞ)byティア

 ティアが《共鳴》を発動
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