暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第47話 嘘吐き全快!! まとめて拉致れるか?
[12/23]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ビオが危険な任務につけるとは思えません。私がそう考えている内に、ブリジットの報告は終わりました。報告の最後の方になると、敬語を使わなくなりました。どうやら敬語は苦手な様です。

「それで、ブリジットはマチス司祭にどの様な印象を受けましたか?」

「良くも悪くも神官ってところね。職務に忠実なのは良いとして、不器用でクソ真面目。小心な所もあるけど、腐って無いだけ他の神官より十分まともよ」

 想定通りですね。担い手候補(ジョゼット)が居る修道院の関係者に、下手な人間は採用しないでしょう。

「他に何か気付いた点や気になった点はありますか?」

「う〜ん。気になったと言うか、不思議に思った事はあるよ」

「何ですか?」

「寄付する時に聞いたんだけど、寺院への寄付が急に増えたらしいの。それとグラヴィルは田舎の漁村なのに、神官や商人がやたらと多い事かな」

 ブリジットが寺院で演じているのは、敬虔なブリミル教徒で裕福な商家の一人娘です。親の仕事について来て体調を崩し、迎えが来るまで逗留すると言う事になっています。怪しまれない様に、寺院に寄付もしています。その時に神官から聞いたのでしょう。

「トリステインで神官が問題を起こしたから、普通なら寄付が減ると思うんだけど……」

「あぁ、その事ですか」

 1人で納得する私を、ブリジットが「如何言う事?」と目で聞いてきました。

「修道院には訳ありの貴族令嬢が、秘密裏に集められているのは知っていますね?」

 ブリジットは軽く頷きます。

「親は止むを得ない事情で子供を預けていますが、子供に愛情が無い訳ではありません。当然“不自由させたくない”と、考えているでしょう。そう言った親達に出来るのは、子供の養育費を出す事。……つまり、寄付をする事だけです。しかし神官達が起こした不祥事の所為で、ロマリア自体が信用出来なくなってしまったのです。普通ならば寄付を続けるしかありませんが、サンドウェリー寺院やマチス司祭の事を知っている親は如何するでしょう?」

 そこでブリジットは、得心が行ったと言う様に頷きました。

 しかし私は心の中で(娘の安否や存在の発覚を心配した貴族が、調査員を出したのかもしれませんね。そいつらが正体を隠す為に、商人に……)と、付け加えました。それに別の懸念があります。

「他に何かありますか? 例えば、神官同士のいざこざとか」

 ブリジットは首を横に振りました。寄付格差による軋轢は絶対に発生します。まだ発生していないか、表面化していないだけでしょう。しかし、神官が来ている以上それも時間の問題です。そして、何故寄付格差が発生するか疑問に思う者が出てくれば、セント・マルガリタ修道院の存在に気付く者も出て来ます。もし他の神官に秘密が漏れれば、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ