暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
24 久振〜Girls pursue each of the goals.
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
パチュリーの風邪も無事に治って何時も通り書庫で本を読みふけるそんな日に、ボソッとパチュリーが呟いた。

「足りない…」

本のページをパラパラと捲ったり、机の上にある赤色の液体の入ったビーカーやフラスコやら試験管やらアルコールランプやら…とにかく沢山の道具をどかしたりして何かを探している。

「この前小悪魔にお使い頼んだのに、また材料がなくなったの?」
「だって…難しいから…。賢者の石作るの」

………………………………………
何時だったかな?パチュリーは俺が吸血鬼になったこと…正確には永遠の中に生きる存在になったことで悩んでいた。

いくら人間より寿命が長い魔法使いとは言え、いつかは寿命が尽きてしまう。自分は年老いて先に死ぬことで、永遠の中に生きる俺に悲しんで欲しくないし、自分も出来ることなら永遠に俺と一緒にいたいと思っていた。

いっそのことパチュリー自身も吸血鬼になってしまおうかと思っていたある日、いつの間にか新刊が追加される不思議な本棚でパチュリーは錬金術の本を見つけた。

鉄とか鉛を金とか銀に変えてしまうあの錬金術だ。そしてその本には賢者の石についての記述があった。

賢者の石。他には大エリクシル、第五実体、赤きティンクトゥラとも呼ばれるもので、錬金術において様々な触媒として重宝し、不老不死の永遠の生命を与える霊薬でもあり、とても貴重で作ることがとても困難なものである。

そんな賢者の石にパチュリーは目を付けた。賢者の石を手に入れれば俺と永遠にいられるのではないかと思ったのだ。

それからパチュリーは直ぐに行動に出た。と言っても始めはいつものように本を熟読するだけだったが。まあ、本の内容を理解しないと作れないしね。

本を読み終わると、ガチャガチャと器材を机の上に用意し始めた。そしてここずっと賢者の石作りに没頭している。

最近は無理したせいで風邪をひいてしまって、パチュリーの熱の入り用はちょっと心配だ。

まあ、そんなこんなで今に至る。
………………………………………

「行き詰まってる?」
「うん…ちょっと…」


パチュリーは顔をうつむきながら答える。研究が思うように進まず気が滅入っているようだ。俺は紅茶を飲みながら聞いた。最近喉が以上に渇くんだよな。

うーん…病は気からとも言うし、落ち込んでるパチュリーをどうにかしたいけど…病気と言えば薬をくれたエリーにお礼言わなきゃな。……そうだ!

「久しぶりにウェネフィクスに行ってみない?」
「え…?」
「気分転換だよ。街の様子も見たいし、エリーにお礼言わないといけないし、レイレウのことだってある」
「……わかったわ。それじゃデートに行きましょ」
「へ?」
「あら、違うの?」
「いや、そうだよね。いこうか、デー
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ