第八話 土の忍者その十四
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「私が闘うわ」
「菖蒲ちゃんがかよ」
「そうするのね、今回は」
「あの怪人の気も強いけれど」
それでもだというのだ。
「私ひとりで闘えるレベルよ」
「二人か三人で闘うまではか」
「そこまでの相手ではないのね」
「ええ、だから」
それでだというのだ。
「ここはね」
「まずは見学か」
「私達は控えね」
「若しここで他の怪人が出て来たら」
その場合はとだ、菖蒲は二人に述べた。
「その時は助太刀をお願いするわ」
「そうか、新しい敵が出て来たらか」
「その時にはなのね」
「一緒に闘って」
表情は変わらない、だが声は頼むものだった。
「そうしてね」
「わかってるさ。じゃあ闘って来いよ」
「そうさせてもらうわ」
菖蒲は薊の明るい笑顔での言葉に声で頷いた、そしてだった。
豹の怪人と対峙する、その右手にフェシングの剣を出した。それを前に出して構えたうえで怪人に対して言った。
「ではいいわね」
「うむ、はじめようか」
「言っておくけれど容赦はしないわ」
「案ずるな、俺もそのつもりだ」
怪人としてもというのだった。
「貴様の後は他の二人も倒す」
「そういうことね。それでではね」
「行くぞ」
怪人はこう菖蒲に言ってだ、そうして。
跳んだ、まさに獣の如く。
上、それも右斜め上に跳んだ。そこにはビルの壁があったがその壁に足をつけて今度は左斜め下に跳んでだった。
反対側の壁に跳びその動きを繰り返してジグザグに跳んでだった。
菖蒲に襲い掛かる、その怪人に対して。
菖蒲は下にいたままだ、冷静な動きで。
上から迫る怪人に対して一撃を放った、それは上に向かって剣を突き出しそこから出した氷の矢であった。
氷の矢は一本だけではない、二本も三本も出す。それで怪人を貫こうとする。
だがその矢をだ、怪人はというと。
その素早い跳躍でかわしていく、そうして菖蒲を爪で切り裂こうとしてきた。
菖蒲は身体を右に捻ってかわした、そして己の前に着地した怪人にこう言った。
「素早いわね。しかもしなやかな動きね」
「豹だ」
怪人はだからだと言うのだった。
「これ位の動きは普通だ」
「そう言うのね」
「そうだ」
だからだというのだ。
「これ位は普通だ」
「そういうことね」
「落ち着いているな」
「元々こうした性格よ」
動じない、そう言うのだ。
「だからね」
「その様だな、俺の今の動きを見て驚かないとはな」
「今ので驚いていたらきりがないわ」
今も冷静な菖蒲だった。
「生憎だけれどね」
「そう言うか、ではだ」
豹は両手の爪を菖蒲に前から次々に繰り出してきた、そうして切り裂かんとしてくる。だがその十本の爪をだった。
菖蒲は表情を変えず身体をボクシングの動
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