第四幕その三
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「これとね、近くには」
「お鼻見付けたわ」
「眉のところもね」
恵梨香とナターシャがそれぞれカルロスに続きます。
「目の近くに置いて」
「それでよね」
「眉も置いて」
「こうしていって」
「一つずつね」
神宝がまた言います。
「置いていこうね」
「これは親指かな」
ジョージがパーツの一つを拾って言いました。
「右の」
「そうだね、そこはね」
神宝が答えます、ジョージが持っているパーツを見て。
「右の親指だね」
「そうだね、じゃあ何処に置こうかな」
「身体をイメージして置こう」
「身体を?」
「今お顔をそうして置いていっているからね」
だからだというのです。
「身体の他の部分もね」
「そうして置いていって」
「そう、組み立てていこう」
こう言うのです。
「そうしていくといいよ」
「どうやら君はパズルに慣れているみたいだね」
パーツのお口のところから声がしてきました。
「趣味なのかな」
「はい、パズルとか迷路でしたら」
そういうものならとです、神宝が答えてきます。
「好きでして」
「それでなんだね」
「人の身体のパズルははじめてですけれど」
それでもだというのです。
「こうしたことは」
「やり方がわかってるね」
「一応は」
「では頼むよ」
「はい、やらせてもらいます」
神宝が応えてです、そのうえで。
五人はパズルを進めていきます、そして。
暫くして身体を作りました、するとです。
その人は男の人でした、シャツもズボンも綺麗にアイロンがかけられた赤いカドリングの服です。その人が五人で笑顔で言ってきました。
「いやあ、助かったよ」
「すいません、本当に」
「灰皿を落としてしまって」
「それでこんなことになって」
「申し訳ないです」
「いや、あの灰皿は私が誤って置いてしまったからね」
玄関にだというのです。
「君達の責任じゃないよ」
「そうですか」
「そう言ってくれるんですか」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「気にしないでね」
「そうですか」
「じゃあ」
「僕が組み立ててもらったから」
早速といった口調で言ってきた長の人でした。
「後は家内も子供達もね」
「一緒にですね」
「その人達も」
「うん、組み立てよう」
こう五人に言うのでした。
「そうしようね」
「わかりました、じゃあ」
「次はお家の人達も」
「そうしよう、けれどね」
「けれど?」
「けれどっていいますと」
「君達はオズの人達じゃないね」
五人を見ての言葉です。
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