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オズのモジャボロ
第四幕その一
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             第四幕  パズルになってしまって
 一行はコンガラパズルの国に入りました、そこに入ってです。
 モジャボロは小声でこう皆に囁きました。
「わかってるよね」
「はい、ここはですね」
「絶対に大きな音を立てない」
「そうしないとですね」
「大変なことになりますから」
「うん、だからね」
 それでだというのです。
「注意してね」
「わかりました、じゃあ」
「何としてもですね」
「ここはそっと進んで」
「音を立てない」
「それに限りますね」
「若し音を出したら」
 その時はというのです。
「皆がばらばらになってね」
「それで組み立てないといけないからね」
 ドロシーも皆に言ってきます。
「だからね」
「はい、気をつけます」
「パズルは好きですけれど」
「この国は特別ですから」
「人間のパズルですから」
「それはちょっと」
「そうよ、人間の身体のパズルは大変なのよ」
 ドロシーもこのことを言います、何しろ彼女が以前にそのパズルをすることになってしまった他ならない人ですから。
 それでなのです、今も小声でトトに囁きます。
「トトもね」
「僕の吠え声一つで、だからね」
「そう、皆がばらばらになるから」
 それ故にというのです。
「注意しないと」
「何か爆弾の山の中にいるみたいだよ」
 ジョージは頭を掻いて苦笑いを浮かべてこう言いました。
「ここにいると」
「まあそれはね」
「仕方がないから」
 モジャボロとドロシーがジョージに苦笑いで答えます。
「この国はそうした国だから」
「それでなのよ」
「そうだよね、じゃあ」
「まずはこの国の人達に挨拶をしてですよね」
 神宝が二人に尋ねます。
「そうしてですね」
「そう、その為に来たから」
「そうしましょう」
「わかりました、じゃあ」
 神宝は二人の言葉に頷きました、そしてでした。
 一行は国といいますか町の長の人のところに行きました、そのうえでお家の中に入るとそこでなのでした。
 扉を開けた拍子にです、不意に。
 扉の傍にあった何かが転げ落ちました、それは鉄の何かでした。
 それが落ちるとです、そのカランという音が凄くて。
 皆がうわ、といった感じになって身体を屈めた瞬間にもうでした。
 町のあちこちでどさどさと音が鳴りました、それで身体を起こしたドロシーがしまったといったお顔で皆に言いました。
「じゃあ皆ね」
「はい、やっちゃいましたね」
「恐れていた事態になりましたね」
「組立開始よ」
 それがはじまるというのです。
「頑張るわよ」
「わかりました、それじゃあ」
「今から」
「まずはお家の中でね」
 今入った長の人のお家の中で、です。
「ちゃんと組み立てましょう」

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