第32話「麻帆良祭〜新たなる未来〜」
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沈んでいく。
おそらく自動操縦だったのだろう。というか飛行船の中に人がいれば流石に超もそんな攻撃をしようとはしないはずだ。
「た……タケルさん!!」
慌てて飛び出そうとしたネギの肩を刹那が掴む。
「待ってください!」
「なん……え!?」
刹那の腕すら振りほどこうとして、だが次の瞬間にはその異様な光景に目を奪われた。
先ほどまで自由に空を飛んでいた超が、まるで何かの力の作用を受けているかのように急激に高度を下げてこちらの飛空挺に突っ込もうとしているのだ。
「……直撃コースでござるな」
「あの勢いでは超鈴音の体が!」
「アニキ、魔法だ!」
「え、あ、うん! ……風よ彼女を!」
周囲の人間に促されるままに唱えられた魔法は、確かに超鈴音に伝わるはずだった衝撃を和らげ、フワリとその地に無事の着地を許した……もちろん背中からではあったが。
「超さ――」
「――まだでござるよ」
声をかけようとしたネギに、今度は楓が。
「え?」
何がですか? 尋ねようとしたネギの問いには答えず、顎で超を指し示す。
「……フフ、これはついていたとでも言えばいいのカナ?」
――まさか、ネギ坊主に助けられるとは。
たちあがろうともせずに倒れたまま呟いた超の言葉に反応したのは、他の誰でもない。
いつの間にそこにいたのか。
「……だがこれで今度こそ終わりだ」
――船を沈めて俺を落とせばそれで勝負は決着する、というのはいい判断だったが。
付け加えられた言葉に、超は今度こそ諦めたように笑った。
「ここまで完璧に対応しておいてそれはないネ」
気付けばそこにいたタケルが、馬乗りの状態から超に刀を振り――
「やば」
呟いた声は恐らくアスナのものだろう。そして、
「――待ってください!!」
ネギの言葉に、それでも止まらない刃は、それと同時に刹那の刀と楓のクナイがタケルの首筋に当てられたことにより、ピタリと止まっていた。
「……なに?」
さすが、というべきか。
首筋にまで刃を当てられているというのに焦った様子を見せるどころか、首をかしげて、それでも視線は超に送ったまま言葉だけをネギ達に向ける。
「どういうつもりだ?」
「……」
「ネギ?」
「……僕たちは今まで一週間後の世界に行っていました」
ネギがどこかくらい表情で口を開く。
「……」
タケルも今更になって「なぜ?」とは思わない。
――カシオペア……か。
アタリをつけて次の言葉を冷静に待つ。
「一週間後の世界ではあなたが超さんを殺して、行方不明になっています」
「なに?」
――……俺が?
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