暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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確かにリインフォースが消えたのは悲しかったし、悔しかった。彼と同じように考えた事も少なからずある。
「でもリインフォースを…私の『家族』を勝手な理由付けの為の材料にすることなんか、絶対に許さへん!」
そう、彼女が怒る理由の一つがこれだ。今は亡き自分の「家族」を、身勝手な決断の理由に使って欲しくない。そんな事の為に、彼女は消えていったんじゃない。
そして、二つ目の理由が―――
「それにほら、見えるやろ!私の足!」
そう言ってはやては自らの足を指差した。彼はまだ一言も言っていないが、はやてが歩けるようになったことは彼に知られていなかった筈だ。
「もう歩けるぐらいに完治したんや!これで私もなのはちゃんやフェイトちゃん達と一緒に走れるし、色んなところに行ける!」
治った足で、今まで行けなかった場所へ。それは以前、彼が彼女に言った言葉だった。
「まだこちとら我がまま一つ言ってないんや!聞いてくれるんやろ、我がまま!だったら居なくなったりせんで、一緒に海とか…一緒にどっか行こうや!自分から言ったくせに、約束破るとか男らしくないやないか!」
これが二つ目の理由。約束した、とは言えないが、彼は確かに我がままの一つや二つ…と言っていた。しかしまだ彼女は言ってこなかったのだ。
元より彼女はその為に足のリハビリを頑張っていた、とも言える。皆と一緒に出掛けて、楽しい思いでを作りたい。その一心で……
「だから……どっか行くとか、そんな事言うな!」
「はやての言う通りだよ」
はやての隣にいるフェイトも、はやての言動に少々驚きながらも口を開いた。
「私はあの時、プレシア母さんとリニス、そしてアリシアに会って、それでもこの世界を選んだ。大切な人達がいて、守りたいものがあるから。それをくれたのは士、紛れもなく君なんだよ?」
フェイトは、PT事件でなのはと彼に救われた。
特にプレシアと対峙している時の彼の言葉には、落ちそうな心を引っ張り上げてもらった。彼のおかげでプレシアと…自らの生みの親と向き合う事が出来た。
「それなのに士は、それを逃げる理由に使ってる。いくら私でも、これにはさすがに怒るよ?」
優しい声色だが、かれを見つめる目はあまり笑っていないことから、彼女が言ったことは本当だという事がうかがえる。
「プレシア母さんの事は、誰の所為でもない。そうでしょ?」
フェイトもはやてと同じように、プレシアの死を悲しんだ時だってある。でもそんな事をしても、プレシアは帰ってこない。
だから彼女は悲しんで立ち止まるよりも、顔を上げて前へ進む事を選んだのだ。
「でももし、プレシア母さんが死んだ事に罪を感じているなら…それを士一人で背負い込もうとしないで
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