暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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うのがわかる。この決意は早々変わることがない事も。










しかし、それで引き下がる程彼女達の思いも弱くはない。



「…悪いけど、もう一度だけ言わせてもらうで士君―――ふざけとんのか!」

最初にそう言い放ったのは、はやてだった。その表情はいつもの温和なものではなく、今までに見たことがほとんどない怒りの表情だった。

「私らに被害が出ないようにやて?もうこちとら被害出とるわ!今更そんな事ゆうても遅いんや!」

自分達がどれだけ彼の事を心配して、枕を濡らしたか…どれだけ彼の事を探し回ったか……
どれだけ自分の心が届かない事を嘆いたか…どれだけ心を傷つけられたか……





「そうだよ、士」

はやての次に口を開いたのは、はやての隣にいるフェイトだ。
彼女の優しさと悲しみを混ぜ合わせたような赤い瞳は、まっすぐに彼を捉えていた。

「もし士がその人格に体を乗っ取られたとしても、私達がまた必ず取り戻すから。だから…離れるなんて選択、しないでよ…!」

目に涙を溜めながら、必死に思いを伝えようとするフェイト。
どれだけ彼女達が彼を取り戻そうと奮闘したか…どれだけ彼との時間を取り戻したかったか……





「士君…一つ、聞いていい?」

そして最後に、なのはが声をかけてきた。

「今士君が言ったこと、嘘じゃないよね?」
「……あぁ、そうだ…」
「でも、本当の事≠ナもないよね?」
「っ…!」

なのはの言葉を聞いた瞬間、彼は簡単に表情を変えた。そして思わず、なのはの顔を見る為に振り向いた。
やっぱり、と思いつつ、なのははじっと彼の顔を見つめ返しながら、

「士君は基本嘘つかないけど、本当の事とか本音とかを隠す時、目を閉じて息を吐いてから言うよね?」

彼の「何故?」という顔に、なのはは素直に答えた。そしてそれは彼にとって、かなり図星だった。

「わかるよ、それぐらい。だって―――私達、『家族』だもん」

なのはの言葉に、またも目を見開いた彼。

そう、なのはは彼を家族と認識し始めた頃―――だいたい六、七年前ぐらいから、彼の姿を目で追っていた。
ある時の彼の仕草に、その時は気にしなかったが、今思い返せばわかる。という事も多々あったのだ。それぐらい、彼女は彼を見てきていた。

だからさっきの行動も、そう思い言ってみたのだ。

「教えてよ、士君。私達を避ける…本当の理由を」

彼の顔をに見つめながら言った。横から見た彼は難しい顔をしていて、目を閉じて下唇を噛んでいた。

なのは、フェイト、はやて。三人、彼をじっと見据え、彼の言葉を待つよ。










「俺は……」

三人の思いを聞い
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