暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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あぁ、これがお前らの元を離れようと思った、理由の一つだ」
まるで炎のように揺れるその色は、以前の彼にはなかった物だ。
「この間戦った時、俺は意識を失っていた」
「…強制的に融合事故を起こされて、でしょ?」
はやての言葉に、彼は一度首を縦に振る。
「あぁ。だけど、融合事故を起こすにはユニゾンしていないといけない」
「でもデバイスがないと…」
「それを大ショッカーは実現しちまった」
どうやらエイミィが言っていた事は正しかったらしい。融合型デバイスなしのユニゾン、奴らはそれができる程の技術(ちから)を得てしまっていた。
「―――奴らは俺のリンカーコアに、改造を施したんだ」
「「「っ!?」」」
彼の言葉に、三人はまたも目を見開く。
人のリンカーコアをいじくる。それはミッドなどの魔法が知れ渡っている世界では、まさに禁忌とされているものだった。常識では考えない、危険な行為だ。
「リンカーコアの一部から普通とは別の回路を作り、そこに本人とは全く別の人格を繋げる。後はその人格を融合型デバイスと同じように仕立てれば、ユニゾンに近い状態が出来上がる、という仕組みらしい」
という俺も詳しくは知らないがな、と後に付け加える。
正直三人は空いた口がふさがらない、という心境だった。普通に考えてもあり得ないと思える事を、彼は平然と言ってのけているのが、驚きだった。
「俺は奴らに捕まった後、緑色の液体の入ったポッドに入れられて気を失ってたからな。ていうかベタすぎないか、緑色の液体とか…」
何故か独り言のように、話の方向が別のところを向き始めていた。
おっといけない、と彼は急いでそれを修正して、
「んで、今俺の目が変なのも、それの影響」
そう言って彼は自ら自分の目を指差す。彼が嫌っていたサングラスをかけていたのも、おそらくはその目を見られない為。
そして、彼は再び言葉を紡ぐ。
「正直言って、その『植えつけられた人格』は、まだ生き残ってる」
「「「っ!」」」
あの時彼の体を支配していた、彼曰く「植えつけられた人格」。確かに外側からの魔力攻撃で、彼を元に戻したが…それで「植えつけられた人格」を消し去る結果には至らなかったのだ。
「今はそいつが眠ってるだけだが、いつ目覚めるかもわからない。そうなれば、お前達を襲うと思う…」
「だから…だから私達から離れるの…?」
なのはの言葉に、あぁと短く答える。目を閉じ、肩の力を抜くように息を吐いた。
「お前らに被害が出ないように、お前らから離れるべきなんだよ」
だから離してくれないか、と後ろにいるなのはに頼む彼の表情は、本気の物だった。その表情に三人は少し怯んでしまう。
彼の決意は固く、その表情からも真剣に考えた結果だとい
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