暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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ってくる。
それを聞いたなのはは、思わず下唇を噛む。

「…士君は、これからどうするつもりなの?」
「ん〜、そうさなぁ。奴らを放っとく訳にはいかないし、取りあえずまずは大ショッカー潰しかね?」

その後は考えてねぇな、とまたも笑いながら彼は言う。

「ま、俺の事なんか忘れて、幸せに生きるんだな」

そして彼はそう言ってなのはに向かって歩き始める。




―――そんな事、言って欲しくなかった。
君の事を忘れろ、だなんて……幸せに生きろ、なんて言われても…そこに君はいないんだよ?そんなの…幸せなものか。




「まぁ、その…なんだ…」

そう言いながら、彼はなのはの横までやってきてポンッとなのはの頭に手を置いて、

「―――じゃあな…『サヨナラ』だ」

なのはの横を通り抜けていく。




―――「サヨナラ」…?
またな、じゃない。そんな言葉、君の口から初めて言われた気がする。

……なんで?なんでサヨナラなの?
どうして、君はいなくなっちゃうの?元に戻ったんだったら…目を覚ましたんだったら、戻ってきてよ…帰ってきてよ……

……嫌だ…嫌だ、嫌だっ!
また離れ離れになるなんて…またあんな思いをするなんて……!



一緒にいてくれないなんて、絶対に――――















「―――っ…」

不意に彼の足が止まった。
目の前には障害も何もない。ただもう数メートル歩けば階段、そしてこれを降りていけばこの裏山も降りることになる。

だが、彼の足は動かなかった。何故か?

「…なのは……」
「………」

彼の左腕の裾を、頭を垂らしたなのはが掴んでいるからだ。
しかしこれにはなのは自身も、自分が何をしているか理解するまで数秒を要した。なんかやってることが恋人っぽい……なんて考えてしまい、その事が顔に出そうになる。

だがそんな煩悩を超える感情が、今の彼女にはあった。

「…なのは、離してくれ」
「―――やだ…」


―――この手は離す訳にはいかない。


「……頼む、離してくれっ…」
「―――ヤダっ…」


―――彼を絶対に行かせない。


「…離せ、なのは…!」
「―――嫌だっ!」


―――もう離れたくない!


その思いを手に込めて、彼の上着の袖をしっかりと固く握りしめる。何があってもこの手は離さない、という思いで…彼と一緒にいたい一心で。


「―――離せって言ってるだろっ!」


「っ…!?」

だが次の瞬間、彼の怒号が響き渡った。思わずビクッと体を揺らしてしまい、手の力が緩みそうになる。しかしそこは踏みとどまり、もう一度袖を掴み直し顔を上げ
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