暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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して士は、そこまで驚いた様子もなく再び声を出した。

「そうなんだけどさぁ…流石に無一文で買い物はできんだろ?」

そう言えばそうか、となのはは思い出した。この世界―――地球の日本のお金は円で統一されている。基本彼は仕事や任務でミッドや他の世界に行く時は、こっちのお金を置いて行っている筈だ。
そうなれば買う訳にはいかないし、まして盗んだりできるような彼ではない。

そんな事を考えていると、急に彼が小さく笑った。

「まぁ、よくお前もここに来たな?」
「…うん、この間もここで会えたし、もしかしたらと思って」
「そっか」

そう言うと彼はようやくこちらに顔を向けてくれた。そこで一つ驚いたのは、彼が珍しくサングラスをかけていたことだ。

「そのサングラス、どうしたの?」
「あぁ、拾ったからかけてる」

そんな彼の返しに、なのはは疑問を覚えた。

少し前に学校でメガネの話題になったことがある。確か発端は駆紋がかけているメガネが伊達だというところからだったか。
その伊達メガネを皆でかけ回した後、何故か沢渡が持ってきていたサングラスもかけ回したのだが……彼の時はとことん似合わず、沢渡に散々笑われていた。
その時は彼も「お前らの前ではぜってぇメガネかけねぇ」と断言していた筈だが……

どうしたのだろうと思う中、彼は笑みを浮かべて口を開いた。

「でもほんと―――最後にお前に会えて≠謔ゥった」

その言葉に、えっと声を上げて今まで止まらずにいた足を止めてしまった。















「それって…どういう、こと…?」

思わず聞き返してしまった。その言葉を聞いても、彼の笑みは消えなかった。
何気に重要なことをヘラヘラとした表情で言ってのけている。しかしそれが逆に変に思えてくる。

「言った通りだ、俺はお前らのところには戻らない=v

ははは、と乾いた笑い声を上げる士。色の濃いサングラスで目が見えない中、なのはは変な感覚を覚えていた。

「なんで…?」
「ん?」
「なんで、帰ってこないの…?」

なのはの質問にも、彼は笑顔を止めなかった。動揺した様子もない、どうやらこの質問が来るのは予想していたようだ。
だがそれでも答える気がないらしい。一向に口を開く様子はない。

「可笑しいよ、そんなの…。やっと…やっとまた会えたんだよ?それなのに―――」
「あぁ、それでも俺は戻れない」

今度はなのはの言葉にかぶせて、きっぱりと言い切った。
なのははそれでも何か言おうと口を開く。だが頭で考えていることが、言葉に…声にならない。

「…そんな悲しい顔すんじゃねぇよ」

言葉にできないもどかしさがにじみ出るなのはの表情を見てか、彼はそんな事を言
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