暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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の近くにやってきてそう言った。
三人共目に涙を溜め、必死に説得する。彼女達も彼と同じように、一緒に居たいから。同じ時間を一緒に過ごしたいから。
「…ありがとう、皆……!」
彼はそう言って、顔を覆っていた手で涙を拭う。それは彼の、決意の表れだ。
「俺は―――ここに、皆のところに…残るよっ…」
涙を拭った目を開き、決意の言葉を三人に放った。
彼女達はそれを聞いて、同じように涙を拭って彼に笑顔を向けた。
「うん…!」
「お帰り、士…!」
「お疲れ様や…」
笑顔でそう言う三人。すると彼の顔の変化を、三人同時に見つけた。
「あれ…?」
「士君、その目…」
「え…?」
指摘されて彼は手を目元まで持っていく。何がなんだかわからない彼に、はやてが持っていた手鏡を取り出し見せた。
「っ、これ…!」
鏡を覗いた彼は、目を見開いて驚いた。
彼の目―――さっきまで青めのマゼンタ色だった目が、彼本来の黒色に戻っていた。
「これって…?」
「もしかして、士の中の人格が…?」
「いや、それはない!だってあいつは…」
「でもあの目の色が危ない知らせだったなら、しばらくは心配せえへんでもええんやないの?」
そう…かもな。と小さく呟き、彼は手鏡をはやてに返した。
何か肩の荷が下りたように、息を吐いて天を仰いだ。再び頬を流れた涙を見て、三人は今度は笑みを浮かべた。
「「「士(君)!」」」
「ん……え…?」
顔を戻し涙を拭って前を見ると、三人は彼に向けて手を差し出していた。
それを見た彼は少し驚いた様子で首を傾げた。
「行こっ、士君!」
「皆待ってるから」
「帰ろう、皆のところに!」
三人のそれぞれの言葉を聞いて、彼は頭を掻きながら垂らして、笑みを浮かべた。
そして―――
「あぁ、行こう」
そう言って彼も手を差し出した。三人はほぼ同時にその手を掴んで、引っ張っていく。
(あぁ、そうだ…)
彼はあの時感じた、あの温もりが…これだったんだ、と思った。
あの時の光が…あの時の温もりが……自分の心を落ち着かせてくれる。
(戻ってきたんだ…ここに…)
こうしてようやく彼は―――門寺 士は、彼女達のところに帰ってきたのだった。
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