暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
61話:彼が帰るべき場所
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―――門寺 士の逃走。
大ショッカーとの戦いの後、彼はどこかへいなくなってしまった。
結界を張っておいて、尚且つアースラからの探索も行ったが、それでも彼を発見する事は叶わなかった。
そんな状態のまま、三日の時が過ぎようとしていた。
クロノ達アースラクルーが引き続き捜索をする中、なのは達は通常通り学校に通っていた。
学校には当然アリサやすずかもおり、なのは達は二人に彼が無事なこと、そして彼が今逃走中だということを話した。二人共彼が無事だったことには反応が薄かったが、後者はとても驚いていた。
三人共学校には通いながらも、気持ちは彼の方へ向かったままだった。
何故彼はいなくなってしまったのか、彼の思惑は一体……?
そしてその日、なのは達はバラバラに下校した。
アリサやすずかは一緒に帰ろうと提案したが、それを一人でいたいと言って三人は断った。それにはアリサもすずかも表情を変えたが、三人の意を汲んでそれぞれバラバラに帰っていった。
「……はぁ…」
そんな中、なのはは今日何度目になるかわからないため息を吐いた。ため息一つで幸せが一つなくなるという話があるが、それが本当なら当分の間なのはに幸せがやってこない事になってしまうが……
ボスッ、ボスッ、と一歩一歩しっかり足を踏みしめて歩く。昨日一昨日で雪が降った海鳴に、白くない歩道はほとんどなく、油断するとこの間のようにコケてしまう。
それでも頭の中は、やはり彼の事でいっぱいだった。彼がいなくなって―――というより連れ去られて約一年が経とうとしている。しかも後一週間と経たない内に年越しだ。ようやく彼に会ったというのに、これでは落ち着けず年越しどころではない。
「―――…あっ…」
気付くとなのははいつの間にか、海鳴の裏山のふもとまでやってきていた。おそらく何か月かここに通い続けたから、体が覚えてしまったのだろう。顔を下に向けたままでもここに着いたのが、その証拠と言えるだろう。
なのはは一旦ポケットから携帯を取り出して時間を確認する。下校して二時間近く経とうとしていたことに気づき、流石に帰ろうと踵を返して……
―――ふと、なのはは足を止めた。
あの時―――彼と一年ぶりに出会った時も、この場所だった。その時の彼は操られていたようだし、目を覚ました彼自身は、覚えていないかもしれないが……
そう、あの時もここで―――
そう考えた瞬間、なのはは再び踵を返して、今度は裏山を上り始めた。
杞憂であればそれはそれでいい。だけど彼がもし、今あの高台に立っていたら……
もしじっと海鳴の景色を、これが見納めとばかりに見渡していたら……
そんな考えが浮かんだが、なのははすぐに頭を振ってその考えを消し去る。
でもなんとなく―――
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