第二部 vs.にんげん!
第20話 つみのろうごく!
[5/5]
ログインしてください。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
出られない。
鈍色の雲の下、酒場がうるさい。何かの騒ぎが扉の向こうで起こっているようだ。
五人は顔を見合わせた。
「おい、どうした――」
フォルクマイヤーが扉を開ける。酒場の人いきれより酒の臭いより、まず喧騒が溢れてくる。
怒りと嘆きと混乱。それが喧騒を構成する要素だった。
「見てみろよ、フォルクマイヤー! この壁新聞、やっと来たと思ったら――! ふざけてやがる!」
肩で人を押しのけるように、フォルクマイヤーが中に入っていく。続こうとしたウェルドの肩を、オンベルトが掴んだ。
「待て。君は入らない方がいい」
理由がわかるだけに、従うほかない。イヴとオルフェウスも、ウェルドと一緒に外で待ってくれた。
「何てこった」
冴えない顔でフォルクマイヤーが酒場から出てきた。
「どうした? 壁新聞に何が書かれていたんだ」
「悪夢だよ」
彼はよほど言いたくない様子だった。目を泳がせ、腕組みし、降り注ぐ雪を注視し、何も言わずにいる口実を探している。だが、四人が沈黙によって促すと、仕方なく口を開いた。
「外界に魔物の大群が出現して、暴れまわっているらしい。俺達の故郷は地獄だよ」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ