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少年と女神の物語
第七十三話
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は少しモヤモヤする。
 一番最初に手に入れた権能なんだけどな・・・

「・・・ゼウスから簒奪した権能、終なる全王(ゼウス・エクス・マキナ)。この権能は、ゼウスの雷関係全て、そのはずなんだ」
「・・・にしては、地味じゃないか?」

 そう、地味なのだ。
 そりゃ、ゼウスの権能の完全解放。アレは強力だし、見た目派手だろう。
 だが、ゼウスの権能で出来ることにしては中途半端。あれでは、ゼウスの雷の破壊の面しか表せていない。もう一つの面を、表せてはいない。
 それ以前に、ゼウスの持つ雷関係のものは、雷そのもの、キュプロスの杖、肩当だけじゃないはずで・・・

「はぁ・・・いくら考えても無駄、か」
「カンピオーネの権能に変化が現れるのは、常に戦闘の中だけ、か」
「それも、神か同族との、ね。その辺、俺はズルしちゃってるからな〜」

 掌握は、しづらくなっているのかもしれない。

「まあ、これ以上は話しても無駄だろうな」
「だな。まあ、戦ってるうちにどうにかなるさ」

 考えても無駄なら、考えるのをやめるとしよう。

「で、だ。武双はこれからどうするつもりなんだ?」
「これから、というと?」
「孫悟空との戦いについて、だ」

 ああ、そういうことか。

「それなら、頭で考えるだけなら俺は必要なさそうなんだよな」
「というと?」
「向こうが出してきた神は、猪八戒に沙悟浄。つまりは、孫悟空を含めて三柱だ。んで、今日本にいるカンピオーネは合計四人」
「それで?」

 で、ここからかんがえると・・・

「まず、護堂は間違いなく孫悟空と戦うことになる」
「万里谷ひかりが捕まっているからな」

 これで、一人は確定。

「次に、翠蓮。アイツはかなり孫悟空と戦いたがってたし、間違いなく参戦してくるだろ」
「そもそも、それが目的で日本に来ているんだからな」

 これで、二対三。

「最後にスミスだけど・・・アイツは、性格上美味しいところで現れる」
「・・・そういうやつだったか」

 で、これで三体三なわけだ。
 でも・・・

「なんか、モヤっとするんだよなぁ・・・」

 まあ、俺もスミスみたいに美味しいところで駆けつけるか。
 それまでは、高みの見物でもしていることにしよう。

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