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少年と女神の物語
第七十三話
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双は。さっさと足元のを倒せ」
「まあ、それもそうだな。毒持ち呪え、ゲイ・ボルグ」

 武双はそのまま右腕で殴りつけ、神獣を殺して見せる。
 そういえば、武双の左腕にはゲイ・ボルグが宿っているんだったか。

「遅いぞ、武双。危うく私が本気になるところだったじゃないか」
「本気・・・?ああ、フルバースト?」
「そうだ。まったく、何であれを家族以外のために使わないといけないんだ」
「まだ使ってないみたいだし、いいじゃん」

 武双が周りの風景を見ながらそう言ってくる。
 まあ、使ってないからいいんだが。

「毒も消えないか・・・とりあえず、あの二人だけ回収しておこう」
「武双は、毒の影響を受けていないのか?」
「多少は。でも、カンピオーネに対して神獣ごときの毒は効かない」

 そう言いながら毒の中を悠々と歩き、二人を回収して、私のいる毒のない場所まで戻ってくる。

「あ、そうだ。念のためにリズ姉も飲んどいて」
「ん?ああ、酒か」

 念のため、でしかないが一応飲んでおく。
 その後武双も飲んで、一人ずつ抱える。

「この二人には飲ませないのか?」
「飲ませてもいいんだけど、それよりもよさそうな手がある。護堂のところまで運ぼう」

 何があるのかは知らないが、まあ祐理とやらの頭の中でも覗いたのだろう。
 それ以前に、私としてはこの二人がどうなろうが、どうでもいい。



◇◆◇◆◇



 とりあえず、エリカとリリアナの二人を護堂に渡してからあの五人と別れる。
 まあ、少年の権能を使うんだとしたらさすがに同席する気にはなれないからな。

「にしても、少年の化身か・・・つまり、アイツは自分の化身を掌握した、ということか?」
「まあ、そうなんだろうな。羨ましい限りだよ」
「羨ましい?武双だって権能の掌握位しているだろう?」

 まあ、してるんだけど・・・

「つっても、全部を掌握してるわけじゃない。『即席工場(インスタントファクトリー)』、『誓いの槍(グングニル)』、『知に富む偉大なる物(ルアド・ロエサ)』、『沈まぬ太陽(パーマネンス・レイ)』、『豊穣王(フェータイルキング)』・・・どれもこれも、戦闘メインの権能じゃない」
「他のは掌握していないのか?」
「ああ、してない。掌握した、と思った権能もいくつか有るんだけど・・・こう、掌握したには違和感があるからな〜」

 少なくとも、『終なる全王(ゼウス・エクス・マキナ)』、『火の知恵者の仕掛け(トリック オブ プロメテウス)』。この二つは、掌握しきれていない。

「・・・まあ、掌握しきれるほど使ってない、ってのも有るんだけど」
「数がある分の弊害か」

 それにしても、ゼウスのが掌握し切れていないの
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