空白期 第5話 「レヴィはアホな子?」
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げな顔を浮かべている。自分とそっくりな人間に会うと何かしら思うことがあるのだろうか。
――……いや、そういえばフェイトは生まれが生まれだ。自分と瓜二つな人間を見れば、もしかして……と思ってもおかしくない。不安に思うのも当然か。
「大丈夫だよ。ただのそっくりさんだから」
「え……そっか」
フェイトの顔から不安が消えていった。が、自分にそっくりな人間に負の要素以外で思うところはあるようで、彼女はレヴィの顔色を窺う。
一方レヴィは、俺との約束を守っているのかキャンディを味わっているだけでフェイト達に興味を示していない。彼女達は自己紹介をしたい素振りを見せているが、レヴィの頭はキャンディで一杯のようだ。
「レヴィ」
「ん?」
「ん、じゃなくて……とりあえず挨拶くらいしてくれ」
「おおっ、そういえばまだしてなかった! えっと……こんにちわだっけ? まあいいや。ボクは……そういえばさっきショウがボクの名前を言ってた気がするから……ボクのことはレヴィでいいよ!」
無駄と思えるほど大きな声を出したり、表情を変えるよなこの子。会ったばかりの俺では言ってもあまり効果がないだろうし、早めにシュテル達と合流しなければ。ただ目の前にいるふたりを連れて合流はしたくない。似たようなやりとりが起きてしまうだろうから。
「うん、レヴィちゃんだね。私、高町なのは。よろしくね」
「高町なにょは?」
聞き間違ったのか、それとも上手く発音できないのか……どちらにせよ、ここでそれは反則だろう。全く予想しなかった出来事に俺だけでなくフェイトも笑ってしまう。高町に失礼だと思ったので、声を出さないようにはしたが。
「高町なのはだよ! な・の・は!」
「なにょ……何でもいいや」
「良くないよ!? というか、ショウくんもフェイトちゃんも笑うなんてひどい!」
笑うな、と言うほうが無理があるだろう。下手をすれば、何も打ち合わせをせずに笑いを取れる組み合わせかもしれないのだから。
「ご、ごめんなのは……えっと、フェイト・テスタロッサです。よろしくレヴィ」
「うん、よろしくへいと!」
差し出された手をしっかりと握り返しながら答えたレヴィだが、これまた高町と同様なことが起きてしまった。
とはいえ、『なにょは』に勝てるほどの威力はなかったので笑いはしない。が、フェイトには何かしらのダメージがあったようだ。
「あの……フェイトなんだけど」
「へいと?」
「フェ・イ・ト!」
「へ・い・と?」
「だから……フェイト」
小声で呟きながらフェイトはがっくりと項垂れる。その姿は見ていた何だか可哀想だ。
レヴィはもしかしてわざと――やってるわけないよな。これまでの言動から頭が弱そうなのは分かるし。
もしかして…
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