空白期 第5話 「レヴィはアホな子?」
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「……うん!」
レヴィは元気良く返事をすると俺の手を握った。異性に握られているというのに全くといっていいほど意識しないのは彼女の性格が大きく影響しているのだろう。
念話でシュテルと連絡を取った俺は、待ち合わせ場所を決めて移動を開始する。
レヴィの手を引く俺は、周囲から見ればどのように見えているのだろう。容姿は似ていないため血の繋がりのある兄とは思われていないだろうが、親戚くらいには思われているのかもしれない。
――それくらいならいいが……知り合いに会ったりしたら面倒なことになりそうだな。
特にレヴィに瓜二つな少女やその親友である少女。レヴィの性格も考えて、彼女達に出会ったら騒がしくなるだろう。
まあ初詣に仲良しの全員で来るのか家族で来るのか分からない。そもそも来ない可能性だってある。出会う確率は低いだろう。
それにこの場にいたとしても、これだけ大勢の人間がいるのだ。偶然目の前に現れでもしない限り、俺に気づくことはない――
「――……あっ」
「あっ、ショウくん」
「……何で君達が」
「えっと、一緒に初詣に行こうって前に約束してたから。アリサ達はもう少ししたら来ると思うけど」
何故だ……何故このタイミングで出会う。それもよりによって高町とフェイトに……月村やバニングスだったらまだ良かったのに。
「だ、大丈夫? 何か疲れてるみたいだけど」
「もう疲れちゃったの? ショウはだらしないな」
「え……」
自分に近い声色の言葉に、フェイトはすぐさま驚きの声を漏らした。高町に至っては口をパクパクさせながらレヴィを指差している。彼女は近いうちに大声を上げるに違いない。
「フェフェフェフェイトちゃんがもうひとり!?」
……いくら何でも驚きすぎじゃないか。見た目は似ているとは思うが、髪色とかかなり違うし。
そんなことを思っていると、指を差されているレヴィは「ボクはレヴィだぞ」と言う。ほんの少し前までキャンディを舐めていたはずだが、一瞬にして噛み砕いたのだろうか。
まあたとえそうであっても、彼女は朝食を数人前は食べていたためあまり不思議だとは思わないが。
「ショウ、まだアメある?」
「はぁ……少しの間でいいから噛まずに舐めててくれ」
レヴィを会話に参加させると面倒な展開になると思った俺は、キャンディを渡しながら指示を出し高町達のほうへと視線を戻す。ふたりの顔は説明してと言っているように見えた。
「ショウくん……その子は?」
「ちゃんと説明するから……この子はレヴィ・ラッセル。俺の身内の知り合いの子で……まあ遊びに来てて今に至るって感じかな」
「そうなんだ……ほんとフェイトちゃんにそっくり」
「うん……」
高町は驚きに表情でレヴィを見ているが、フェイトは不安
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