憎悪との対峙
24 流星の訪れ
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せしめになったんじゃない?」
「犯人には感謝しねぇと」
周囲の音が聞こえてくる。
当然、この街で起こってるパニックで苦しんでいるという話題が多い。
しかし中には中学生たちが死んで喜んでいる声や不良がこれを恐れて街を出歩くのを避け始めていることで安心しているというような声も聞こえていた。
「ねぇ、ウォーロック?例の中学生たちが殺されて多くの人が喜んで犯人に感謝するって...やっぱり彼らはそう思われるだけの事をしたんだろうか?」
『そりゃな...殺されるくらいだ。正義の味方ずらしたやつが街で迷惑なことばっかやってるガキどもを殺してまでカッコつけるかって言われたら疑問だろ?多分、そのガキどもと繋がりがあって、そうとう心身ともにメチャクチャ傷つけられた事があるんだろうな。怨恨...地球じゃそういうんだろ?きっと犯人も自分の恨みを晴らせたってだけでここまで感謝されてるとは思ってないだろうな』
スバルにはその感覚が分からなかった。
誰かを殺したいと思う程に誰かを恨んだことが無い。
スバルはどう足掻いても犯人の気持ちにはなれない気がした。
もし自分なら、どうしたらそこまでの殺意を抱けるか、スバルは少しだけ考えてみた。
『どうしたスバル?』
「....いや」
1つだけあるとしたら、自分だけでなく自分の大切な人を傷つけられた時だ。
自分の拠り所を奪われたら、間違いなく想像もできない怒りが沸き起こるに違いない。
そんなことを想像するだけで背筋が凍った。
スバルは深呼吸をして気を落ち着け、テーブルの上にあったポットの氷水をコップに注ぎ、再び一気に飲み干した。
そんな時、スバルの近くのカウンター席に2人の男が座った。
スーツ姿に気だるそうな顔で先程のウェイトレスにコーヒーを2つ注文し、小声で話し始めた。
「...やっぱり高垣さんの言う通りにしてたらマズイんじゃないですか?」
「何言ってるんだ。お前がやったのは、これからの計画の第一段階に過ぎないだろう?デンサンシティのインターネット管理システムの管制室にいるお前がバックドアを仕込んだくらい」
「!?」
スバルは運ばれてきたカルボナーラを口に含んだ瞬間、戻しかけた。
男たちはValkyrieの一員にしてI.P.Cの社員だった。
僅かだが社員証が見える。
2人はスバルが子供であるのをいいことに話を続けていた。
「でもニュースとか話を聞く限り、ロックマンってヤバイやつじゃないですか!?それに安食さんだって撤退するしか無かったらしいじゃないですか!?」
「シッ!声が大きい。だが話じゃ向こうは再起不能だそうだぜ。これからの計画に支障は出ないだろうから安心しろって。今頃、才葉シティでは順調に計画が進行してるんだからな」
男たちは運ばれてきたコーヒーを
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