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伝説の子猫の伝説
『リアス・グレモリーの受難』
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い。私から勝手におじゃまさせていただいたというのにさらにこのような上質なワインを頂けるとは……後ほど弟子に感謝の気持ちとしてこころばかりのものをお送りさせていただきましょう」
「いえいえ、今回のことは私達の手違いなのです。今回のことは水に流していただければと思った次第。それにこれはほんのお詫びの気持ちです。さあ、お見送りしますわ。先生」
「こんなお土産まで……ありがとうございます」

 −−

 その頃部室の奥の部屋で伏していたリアスは―――

(サンタさんへ!リアスはね!今年のクリスマスはワインコレクションがいいな!)

 ついに絶望のあまりに幼児退行を起こしていた。そして妹の願いが聞こえたのか冥界でも変態紳士として名高いシスコンの兄がワインを届けに来るのだが、このコレクションたちがたったの数日で1匹の猫によって空き瓶になるのはまだ先の話。

 ただし、その後の自分の女王の行動を見てまた卒倒してしまったが……

―――

 グレモリーの女王の朱乃さんからお土産を貰ったところで引き上げる。道場につくと毎度のことながら、やはり曹操が膝をついていた。見聞色の覇気がなまじ鍛えられているせいか私が道場に帰るといち早く膝を付いている。それを見て後ろの弟子たちも私を迎える準備をするのだろう。そのままてくてくと歩いていたら、あとをついて来ていたゲオルグが珍しく興奮した様子で話しかけてきた。

「師匠!そのワインはいかがなされたのですか!!」
「ん?これですか?これは頂きものですが」
「な、なんと!これほどまでの赤ワインを師匠に献上するものがあろうとは!このワインは冥界産のドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社の逸品!飲んだことのない素人でもワインにハマると言われている伝説のワインが何故ここに!?なっ、それに400年ものとは!?」
「なんと!そこまでよいものでしたか。ふむ、ここまで尽くしていただいたのにただ一度の助力で済ませるのは師範としての名折れというもの。それなりに報いなければいけませんね。それとゲオルグ、倉庫にあるあの実を駒王学園のオカルト研究部宛に送りなさい。ささやかなお礼です」
「ハッ、我らが師匠のお心のままに」

 第一印象は最悪であったものの、今は多少好意的に感じている子猫であった。

―――

 そんな会話を弟子と繰り広げている子猫だったが、その頃リアス眷属ご一行は……

「朱乃おおおオオォォォ!」
「は、ひゃい!」
「わ、わだじのおおぉぉぉぉ、一品物のワ゛イン゛をおおおおォォぉ!」
「ご、ごめんなさい。まさかそれほどのものとは……」

 リアスだけは悲しみにくれていた。

「なあ、零士。なんで子猫ちゃんが俺らみたいな存在を知ってんだ?それになんかいきなり気絶させられたらしいけどそれほど
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