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伝説の子猫の伝説
『リアス・グレモリーの受難』
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 僕らははぐれ悪魔が6匹、領内に入ったという連絡を受け、案の定討伐を命じられたため敵を探していた。一瞬だが僕の相方こと神谷零士君が尋常ではないエネルギー量を感知したという報告を聞き、リアス先輩を含め眷属皆で町内の廃工場に出向いた。

 そこで見たのは一人の女性。まるで、モデルのようなプロポーションをしていながら肉体に余計な部分がない。すでに完成されている肉体。日々鍛えている僕は一瞬で見抜けた。そして次には彼女の周りにある6匹のはぐれ悪魔だった肉塊に目を向ける。何があったのかは明白。つまりは彼女が倒したということだ。武器を持っていないことから拳で倒したのか。部長に目で合図するとかなり焦っているように思えた。相方と連携して一瞬で距離を詰める。すると、いとも簡単に彼女の懐に入り込めた。ただ剣を首に突きつけた時に寸止めではなくすこし切ったのは必要なことだったと判断する。

 その後はすぐに彼女は僕達が突きつけた首元の剣に観念したのか両手を上げた。部長が彼女のつけていた愛と勇気だけが友達のキャラクターの仮面を外す。その正体は―――驚くべきことにあの塔城先生だった。物理の教師をしている塔城先生。学園でトップクラスの人気を誇る部長と朱乃さんと並び立つほどの美しさ、妖艶さを持つ教師。狙っている人が数知れないあの学園三大お姉さまとして人気の高い彼女が目の前にいる。ただし、怒っているようだが。なんとか怪我をさせずに制圧しよう。

 −−

 数分前の僕を殴りたい。もし、数分前に時を遡れるのならすぐに部長に撤退を進言したであろう。それくらい彼女は僕の常識外の存在だった。彼女は首元の剣にも動じなかったのはいつでも回避できるからであっただけ。それをどうやったらこうも勘違いできるのだろうか。

 僕はどうやら選択を間違えたらしい。放心した僕が彼女を見て感じたのはまるで白い夜叉のようだな、という感想だった。まるで地面が彼女の怒りを表すかのように揺れている。僕らが入った廃工場もかなりガタがきたのだろう。ミシミシと音を立てている。いつも優しそうな雰囲気を纏わせているあの塔城先生が怒っている。順序が逆ながら、彼女が只の人間ではなかったと気が付いた時にはすでに僕の目の前に彼女の拳が迫っていた。後で謝らなきゃと考えつつのんびりと近づく拳を見る。あぁ、この人、強いなぁ……

―――

 とりあえず、私の首に剣を突きつけていた愚か者たちは気絶させた。すこし冷静になった気がする。どうも自分は怒ると古風な物言いになってしまうようだ。

 特にグレモリーたちとは問題を起こしたくないので私の首元に剣を突きつけた桃髪の青年こと神谷零士と木場祐斗に腹パン(私の愛をスパイスに少しだけ)を一発ずつぶち込んでおいた。朝になればふたりとも起きるだろう。その一連の動作を見た何やらグレモリー含
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