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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
竜使い
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ところ七千のプレイヤー中わずか数百人しかいない《攻略組》というのは、ある意味ビーストテイマーよりもレアな存在であって、その姿を目にする機会すらほとんどないため、主ボリュームゾーンを形成する中層プレイヤーの中で名前が通るということがすなわちアイドルプレイヤーの仲間入りをするということでもあった。
そもそもが絶対的に少ない女性プレイヤー、更には年齢のこともあって、《竜使いシリカ》が多くのファンを持つ人気者になるのに時間はかからなかった。
アイドルを求めるパーティーやギルドからの勧誘は引きも切らず、そんな状況で十三歳のシリカが多少舞い上がってしまったのも当然なのかもしれない。
だが、結局はその慢心が、どれほど悔やんでも取り返しのつかない過ちを犯させることになった。
きっかけはささいな口論だった。
シリカは二週間前に誘われたパーティーに加わって、三十五層北部に広がる広大な森林地帯、通称【迷いの森】での冒険に参加していた。
もちろん、現在の最前線は遥か上の五十五層で、フロアそのものはすでに攻略されている。だがトップ剣士達は基本的に迷宮区の踏破にしか興味を示さないため、【迷いの森】のようなサブダンジョンは手付かずのまま残されており、中層プレイヤーの格好のターゲットとなっている。
シリカの参加した六人パーティーは手練れ揃いで、朝から存分に戦闘をこなし、多くのトレジャーボックスを発見して、かなりの
金額
(
コル
)
とアイテムを稼いだ。
周囲が夕刻の色彩を帯びはじめ、皆の回復ポーションがあらかた尽きたので冒険を切り上げることにして、主街区へ戻ろうと歩き始めた時だった。
細身の長槍を装備したもうひとりの女性プレイヤーが、牽制のつもりか、シリカに言った。
──帰還後のアイテム分配なんだけど。あんたはそのトカゲが回復してくれるんだから、ヒール結晶は必要ないわよね。
カチンときたシリカは、即座に反撃した。
──そういうあなたこそ、ろくに前面に出ないで後ろをちょろちょろしてばっかりなんだから、クリスタルなんか使わないんじゃないですか。
あとはもう売り言葉に買い言葉で、リーダーの盾剣士の仲裁も焼け石に水、頭に血が上ったシリカはとうとう言い放った。
──アイテムなんかいりません。あなたとはもう絶対に組まない、あたしを欲しいって言うパーティーは他にも山ほどあるんですからね!
せめて森を脱出して街に着くまでは一緒に行こうと引き止めるリーダーの言葉にも耳を貸さず、シリカは五人と別れて枝道に飛び込み、ムシャクシャした気分のままにずんずん歩き続けた。
たとえソロでも、短剣スキルを七割近くマスターし、ピナのアシストもあるシリカにとっては三十五層のモンスターはそれほどの強敵ではな
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