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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-17
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「だからといって人命まで奪っていいとは些か虫が良すぎるんじゃないか? 今ここで私がレールカノンを貴様に向けて撃って殺してしまっても正当防衛ということで私は罪に囚われないがそれでもいいのか?」


 ラウラはそう言うと一夏に向けてレールカノンを向けて安全装置を外しいつでも撃てる状態にする。セシリアに後ろから支えてもらっている状態の一夏は、ISからの警告が鳴り響いているのを無視してラウラを睨み続ける。ラウラはこのまま撃ってしまおうと考えている。別に撃ったって一夏はISが展開されているのだ。たとえ残りわずかでもエネルギーは削り切れる自信はあるが、一夏は死ぬことはない。内心、割に合わないと思いながらもトリガーを引こうとする。


 瞬間、ラウラの頭にポンッと軽い衝撃が伝えられる。ふと横を見るといつの間にか蓮がラウラの頭を撫でながら隣に並び立っていた。いつも通りの表情の少なさではあったが、彼女に向けられる視線には制止の意味が含まれていた。
 一夏が無防備なまま撃たれるかもしれないと、前に入り込んで防御しようとしていた箒とシャルルの二人は前傾姿勢を戻すもまだ警戒は怠らない。当の一夏は、何とかしてセシリアの捕縛を解こうともがいていた。


「ラウラ、もう用事は済ませたのだろう? なら、戻るぞ。こんなところにいても時間の無駄だ」
「あ、兄上……」


 ラウラの瞳には怯えの色が浮かんでいた。蓮に嫌われてしまうかもという不安と勝手なことをして勝手に動いてしまったことに対するラウラの中での罪の罰という恐れが混ざっているのだろう。だが、今回のことは蓮は特に諌めるつもりはなかった。鳳鈴音に頼まれてISを展開したに過ぎないし、一夏に対する攻撃も正当防衛なのだからラウラは何ら罪となるようなことはしていないのだ。どちらかといえば、一夏の方だろう。ラウラを殺意をもって明らかに殺そうとした殺人未遂で裁判にかけられるが、ここはIS学園。日本とは独立しているため、姉である織斑千冬にすべて揉み消されてしまうのだオチだ。
 蓮は、踵を返してアリーナの出口へと向かう。罰を受けると身構えていたラウラは予想していたものが来ず、咎められなかったことに安堵しながら蓮の後を追う。


 やはり女性一人で男性一人を抑えるには無理があるようで、一夏はセシリアから逃れた。そしてまたラウラに近づく。


「待てよ、逃げるのかよ。……黙ってないで何か言えよラウラぁっ!!」


 一夏がラウラの名前を叫んだ途端、アリーナの時間が止まった気がした。吹いていた風が止み、どこからか聞こえていた鳥の鳴き声も無くなる。海が近くにあり、聞こえる筈の波立つ音も聞こえなくなった。
 一夏に背を向けていた筈のラウラが一瞬の間にISを展開して一夏の目の前まで肉薄していた。そして容赦なく振り抜か
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