オリジナル/ユグドラシル内紛編
第57話 空へ! ヒマワリアームズ
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
目の前で、ヘキサが、タワーから飛び降りた。
室井咲の思考が高速回転する。
ドラゴンフルーツの錠前は壊されて使えない。戦極凌馬から与えられたロックシードは持ってきていない。今、咲が持つロックシードは一つだけ。
咲はその最後の一つ、ヒマワリの錠前のロックを外した。
戦極ドライバーを腹に装着し、バックルにヒマワリロックシードをセットし、拳を叩き落としてロックとカットをして。
「ヘキサあああああっっ!!!!」
親友を追って、ヘリポートから飛び降りた。
凄まじい風圧が咲を襲う。だが咲は負けじと、空中で体をひねり、体の上下をひっくり返す。
その頭に落ちるべく追ってくるのは、果実ではなく巨大なヒマワリの花。
――“ その花を咲かせてしまえば もう二度と後戻りはできない ”――
――“いつだって最後に頼りになるのは、自分自身の強さだ”――
「来ぉぉおおいッッ!!!!」
《 ヒマワリアームズ Take off 》
――実を結ばない花は確かにある。しかし、不実だからといってそれは無駄なのか。実をつけない花に咲く意味はないのか――
――そんなはずがない。種を突き破り、芽吹き、開いた花には、必ず咲いた意味がある――
まるで、花の妖精が舞い降りたかのように。
背中から二対、両足で一対、ヒマワリの花びらで構成された翼を広げた月花が、ヘキサを抱えて空をまっすぐに飛んでいた。
「まさか、ありえない……飛翔能力を持つロックシードだと? ヒマワリにアームズはないはずなのに!?」
凌馬が空を見上げたまま髪を掻きむしる。湊も似たような体たらくだが、誰より、貴虎が唖然としていた。
しかし、月花の腕に横に抱えられた妹がいたことが、貴虎をその場の誰より速く正気に戻した。
「碧沙! 室井!」
貴虎が叫ぶのを合図にしたように、月花は凄まじい勢いで3対の翼を駆り、ヘリポートから貴虎を抱き攫った。
『このまま下のケンキュージョまで抜ける! お兄さん、指示出して!』
貴虎はそれだけで月花の意図を理解してくれた。貴虎が通信機を出してラボに呼びかける。その間に月花はタワーの真上へと翔ける。
「私だ! 今すぐタワーのシャフトを開けろ! 緊急だ! 急げ!」
下で凌馬が指示を出したのか、レーザーが幾重にも月花たちに向けられ発射された。
『耳ふさいで!』
月花はヘキサをしっかり抱え、貴虎を担ぎ、宙を蹴ってレーザーより速く翔け、レーザーを全て避けきった。
タワーの真上。下ではシャフトがじわじわと開いていく。小さな穴だが、月花たちだけなら十分だ。
月花は隕石のように直下に翔けた
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ