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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第357話】
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時間を訓練に費やす方が理にかなってると思うが……まあ所属しないと不味いみたいだし、仕方ないかな。

 ――一通り女子一同の部活の事は聞き終えたので、さっき話に上がった着物について再度ラウラに訊いてみる。


「ラウラは着物とか新調しないのか?」

「う……い、今それを少し考えていた所だ。 ……ふふっ、流石は私の嫁だ。 以心伝心というやつだな」

「以心伝心かはわからんが、話題に上がったからな。 ……んで、新調するのか?」

「そうだな。 新しく一着持っていても悪くはない。 それに、今後使う機会があるかもしれんしな」


 瞼を閉じて小さく頷くラウラ、日本に居るなら確かに着物を着る機会は恵まれているだろう。


「だな。 もし年末年始も日本に居るなら初詣に着ていくのもいいし――まあ、年末年始ラウラがここに居るかはわからんが」


 そう伝えると、ラウラは閉じていた瞼を開くと真っ直ぐと俺を見ながら。


「ね、年末年始は帰還命令さえなければ日本に居るつもりだ。 向こうにはヒルトは居ないからな……」


 若干の照れの入った言葉で呟くラウラ――その言葉に自然と頬に熱を帯びるのを感じた。

 ――一夏は何を言ってるのかわからないといった表情浮かべているが――まあわからなくていいと思う。

 そんな俺とラウラの様子を見て、複数のジト目の砲火に晒されるがそこは軽く咳払いをして俺は口を再度開く。


「他の皆はどうするんだ? 年末年始、帰国するのか?」

「あ、僕は日本に残るよ?」


 シャルがそう口にしてニコッと微笑む――と同時に、俺は内心しまったという思いでいっぱいになる。

 シャルは帰国出来ない身――忘れてた訳じゃないが、うっかり口を滑らせてしまった事に、俺は謝ろうと口を開くが――。


「ヒルト、気にしなくていいよ? 僕なら大丈夫だし、今はフランスよりも日本の事が好きだしね♪」


 そう笑顔で言うが、本心としてはやっぱり自分の母親の墓参りにも行きたいだろうし、自分の生まれ育った場所にいる友人にも会いたいのだと思うのだが……。

 自由国籍権――普通の一般人なら申請すれば他の国に国籍を移せるが代表候補生ともなればそう簡単にはいかない――だったかな……。

 それをシャルが取得すれば問題は無いのだが……或いはフランス代表に選ばれるか……勿論、その道は険しいから複数の解決案が無ければシャルの待つ未来は真っ暗になるだろうし。

 ――最後の手段としては、俺がシャルを嫁に貰えばいいが……これはあくまでも最後の手段だ。

 ともかく、後でまた謝ることにするかな……流石にさっきのは俺のミスだし――と、シャルが言い終えたからか、次にセシリアが言葉を紡ぐ。



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