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曹操聖女伝
曹操聖女伝第6章
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「孫策殿の顔に死相があった。間違いなく近い内に死ぬ」
対話相手に顔に死相が有ったと言う理由だけで喧嘩別れとは……一見、馬鹿げた話に聞こえるが、曹操は占いにも精通していたのだ。此処でも多才を発揮したのだ。
事実、196年、曲阿を始めとする丹陽郡を手中にした孫策は、呉郡、会稽郡の攻略に取り掛かる。呉郡攻略において、呉郡太守であった許貢に勝利し、会稽郡の攻略においては太守であった王朗に勝利する。
が、許貢の死後、彼の客人3人が復讐として孫策の殺害を計画し、実行した。襲われた孫策は自ら3人とも斬り殺したものの、3人の内の誰かが放った矢の一本が頬を貫いたため、これが基で病死してしまった。
重傷で自らの死を悟った孫策は後継に実子の孫紹ではなく弟の孫権を指名し、その補佐役として張昭と周瑜を指名して26歳で死亡。死に際して、張昭ら幕臣には孫権の補佐を頼み、孫権には
「天下の均衡争いに与するようなことは、お前は私のようにはできるまい。しかし、才能ある者を用い、江東を保っていくことについては、私はお前に及ばない」
と、臣下の言を重んじ江東を固く保つことに意を注ぐよう言い残した。享年26。

此処まで凄いと逆に欠点を探したくなるものだが、あるとすれば左手の指が2本しかない事ぐらいだ。そして、相変わらず肉体年齢と外見年齢が15歳のままである。こんだけ別の才能に溢れている時点で正直既におなかいっぱいである。
と思いきや……。

ある日、自分が開発した酒の醸造法“九?春酒法(現在の日本の酒造業界において尚行われている「段掛け方式」の元であると言われている)”を見物中に何者かが隠したと思われる書物を発見した。
「何故、こんな所に……」
とりあえず目を通すと、房中術大図鑑と艶本(エロ本)であった。すると……
「な、ななななななんじゃこれぇーーーーー!」
書物に書かれている性交渉に完全に赤面し、いつもの凛々しさは何処に行ってしまったのか慌てふためきカミカミ口調になってしまった。
「あわわわわ、こ、こここここんなのあ、あああああ―――」
荀ケが曹操に水を差しだした。
「とりあえず落ち着いて下さい」
荀ケから貰った水をがぶ飲みする曹操だが、気管に入ったのか急き込んで吐き出してしまった。
「げほげほげほ、あー、どえらいのを見てしまった……」
これを見ても解る様に……曹操は性的に関しては完全に初心だったのだ。

許昌の町は曹操の政策の御蔭で大賑わいであった。
「曹操様の言われた通り、交通路の道幅を広くし、平淡で真っ直ぐな道路を造っています」
「道路の両側には木を植えるのだ。暑い日には旅人が木陰で休める様にな」
曹操は上機嫌だ。自分の考えた政策がこうも簡単に軌道に乗ったのだから。だが、それが後の暗殺未遂事件を引き起こしたのだ。
董承が許昌の町を
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