曹操聖女伝第6章
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を晴らそうとする??。そこで不思議な光景を目撃する。町でも有名な庭師の店から大きな庭石を持った許?が出て来た。
(あんな大きな庭石を1人で運ぶなんて……もしかしてあれって意外と軽いのか?)
「ん?って許?じゃないか、こんな所で何をやってんだ?」
漸く??が近くにいる事に気付く許?。
「誰かと思えば夏侯淵殿か。俺は今ここの店の手伝いをしてるんだ」
「手伝いって……禄はちゃんと出ているはずだ。もしかして全部使ってしまったのか?」
仕え始めたばかりとは言え、結構な禄を貰って居る筈。それが??の考えであったが、
「ははは、違う違う。典韋殿がよく庭師の手伝いをしていると聞いてな」
その事実を全く知らなかった??が驚く。
「典韋がそんな事を?どういうこった?」
「典韋殿が此処を手伝っていたのは鍛える為らしい。城で武術の訓練をやるなら相手には困らないだろうが、こういった重たい物は城にはあまりないからな」
「だからここで庭石や樹木を運ぶ手伝いをしていたのか……」
??が典韋の告別式で泣く曹操の姿を思い出す。
「本当に惜しい奴を亡くしたな……俺達」
それに対して、許?は明るかった。
「確かに典韋殿その者は消えて無くなってしまったが、典韋殿の意思を継ぐ事は出来る!」
「だから典韋が生前にやってた事をやってんのか。あんたにしてはよく考えてるな」
「そうそう俺にしてはよく考え……って、どういう意味だよ夏侯淵」
??が笑いながら言う。
「冗談だよ冗談」
こうして、外見的問題から華奢な美少女に間違えられる苦痛に因る鬱憤が解消されたと思ったら。
「おい、あの娘可愛いな」
??の額に青筋が浮かぶ。
「娘?可愛い?」
「よう彼女ー、あっちでお茶しない?」
??をナンパした男達が酷い目に遭った事は言うまでも無い。
「俺は男だ!歯を食いしばれ!修正してやる!」
曹操は多才で博学だ。
楽器を演奏させれば飛ぶ鳥さえ唸らせ魅了し、楼閣の設計図を書かせれば官渡に非の打ち所の無い完璧な防衛用楼閣が誕生し、古代中国版チェスをやらせればほぼ無敵と言う有様。
二郎真君と趙公明が何気なく道術をやってみないかと曹操を誘ってみた。すると如何だろう、曹操は陰陽五行の要素、すなわち火、水、土、木、金の五行を見事にモノにした。
これには通天教主も驚くしかなかった。曹操に埋め込まれたビー玉の様な宝貝は、宿主の身体を不老長寿と宝貝を使いこなせるように改造するのみで、宿主を博識多芸にする能力は無い。これは全て曹操の才能と努力の為せる業である。
碧遊宮からこの様子を見ていた通天教主はこう言い放った。
「やはり儂の眼に狂いは無かったようだ」
曹操は円形の祭壇へと移動した。祭壇には思い思いに五行を表す箇所が設けられ、椀状にうがたれたくぼみの中にそれぞれの元素を含んで
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