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Myth4果て無く旅せし魔導書〜Grimoire des nachthimmeL〜
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・・」

「はいはい、早く仕事に戻りなさい。オーディンさん、アギト、失礼しますね」

「ええーもう?・・・・はぁ。オーディンさん、アギト、またね〜。モニカとルファ。オーディンさんに迷惑かけないようにね」

「キリキリ歩きなさい、男爵閣下」

そんなやり取りをしながら、エリーゼさんとアンナさんは屋敷に戻っていった。あたし達は顔を見合わせて笑い合う。あんな弱い男爵なんて見たことないね、って。
それから少し話をしていると、ルファが「ではオーディン先生、アギトちゃん、午後の診察回りにまた」とお辞儀して、モニカは「オーディン先生、アギトちゃん、またね♪」って大きく手を振って中庭を後にする。
2人は午後の診察回りが始まるまで自由時間。そう言うあたしとマイスターもだけど。マイスターは大きくあくびと伸びをして、「アギト、私は自室で少し眠るけど、君はどうする?」って尋ねてきた。

「じゃああたしも」

いつでもどこでもあたしはマイスターと一緒だ。大きな屋敷の一階の端に、マイスターとあたしの部屋が用意されてる。赤いカーペットの敷かれた廊下を歩いてあたし達の部屋へ。元は客室で、広くて豪華。それに風通しも日当たりも良いから、すごく快適に過ごせる。
マイスターは天蓋付きの寝台に横になって「今日は特に眠いな」ってすぐにウトウト。首を傾げてるマイスターに「今日は陽気も良いですし、昨日は夜遅かったから」と言う。夜遅くまで医者としての仕事をしてたから。そして朝は朝で体を鍛えるということでトレーニングをしてるから、どうしても睡眠時間が短い。

「そうか・・・そうだな・・・」

「ゆっくり休んで、マイスター。あたしが起こすから」

マイスターは小さく頷いて、すぐに静かな寝息を立て始めた。マイスターに作ってもらったあたし専用にベットに寝ることなく、あたしはマイスターの枕元に向かう。マイスターの寝顔を見ながら、あたしも横になる。一時間半だけの仮眠。寝坊しないようにしないと。だから寝ないようにしていたけど、いつの間にか眠ってしまっていた。

「・・・んぁ?・・・なっ?」

物音――ううん、それだけじゃなくて強烈な魔力が充満してる所為で目が覚めた。血の気が引いた。思いっきり眠ってたことより、その魔力の強さに。ハッとして起き上がって、室内に一冊の分厚い本が浮いてるのを確認。
部屋に満ちる深い紫色の魔力光は、あの浮いてる本から放たれてる。マイスターを起こそうと振り返る。マイスターはすでに起きてて、目を限界にまで見開いて浮いてる本を見詰めてた。

「マイスター・・・?」

「・・・馬鹿な・・・!」

様子がおかしい。何か信じられない物でも見たかのよう。マイスターがここまで動揺してる顔なんて今まで見たことがない。何だか知らないけど恐い。あたしにとっ
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