暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth4果て無く旅せし魔導書〜Grimoire des nachthimmeL〜
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マイスターの助手のモニカとルファ(さん、は要らないって言われた)と一緒にお昼ご飯を終えて日光浴をしていたところに、

「あ、そうだ。オーディンさん、魔力足りてますか?」

エリーゼさんが思い出したようにマイスターに訊いた。マイスターは「いや、大丈夫だよ。ありがとう」ってやんわり断ったけど、エリーゼさんは「何かあったらダメだから」って聞かずにマイスターの右手を取った。そして手の甲に唇をくっ付けた。手の甲と唇が触れてるところから浅葱色の光が溢れる。
エリーゼさんの能力・乙女の祝福(クス・デア・ヒルフェ)だ。シュテルンベルク家の女の人にだけ受け継がれていく能力だって聞いてる。でもエリーゼさんがオーディンさんに口付けするの、よく解らない気持ちだけど見るのちょっと嫌だったりする。なんだか胸の奥がチクチクする。

「気を付けてくださいね。魔力が少なくなったらオーディンさん、記憶が・・・」

「ああ、十分気を付けているよ」

でも必要なことだから。そう、マイスターはある障害を持ってる。魔力枯渇による記憶障害ってマイスターが名付けた、魔力が減少すると大事な記憶を失ってしまう病気。だからこうして時々エリーゼさんから魔力を貰ってる。記憶を失くさないように。

「マイスター、診療に魔力を使うんだから本当に注意してね」

あたしも心配してそう言う。あたしを――あたし達のことを忘れてほしくないから。マイスターは、シュテルンベルクの屋敷の一画を借りて医院を開いてる。コード・ラファエルっていう治癒魔法を使って(もちろん薬とかも使う)患者さんを治しているんだけど、それは魔導だから魔力を消費する。
だから内心ビクビクしてる。重傷患者さんが出て、治療するためにすっごい魔力を使って記憶を失うかもしれないって。でもマイスターは医者をやめない。病気を知ってから、どうしてやめないの?と訊いてみた。

――治療魔法が使えるんなら役立てないとな――

そう言って、あたしを安心させるためにか頭を撫でてくれた。それも笑顔で。下手したら自分の記憶を失うかもしれないのに、それでも魔力を使って人を助けるマイスターのことが、あたしは好きだった。

「心配性だな、2人は。診察代に患者さんから少しばかり魔力も貰っているし、早々枯渇することはないよ」

「それでも常に魔力を補充することを考えてください。もしオーディンさんがわたしのことを忘れてしまうようなことがあれば、わたし、とても辛いです」

「あ、あたしだって辛いよマイスターっ!」

抱きつこうとするエリーゼさんに負けじとマイスターに詰め寄る。あたしはマイスターの頬に抱きつけたけど、エリーゼさんはいつの間に来たのかアンナさんに「はしたないわ、エリー」って肩を掴まれて止められてた。

「ちょっと位いいでしょぉ・
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