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Myth4果て無く旅せし魔導書〜Grimoire des nachthimmeL〜
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だモニカ。ルファに昼休憩にしようと伝えておいてくれ」

「ヤヴォ〜〜ル?」

モニカはニコニコ笑顔で診察室を出て行った。廊下から「ルファ〜、お昼ご飯だよ〜♪」と機嫌の良い声が聞こえてくる。それにアギトと一緒に微苦笑。アギトはデスクの上に設置している彼女用の小さな椅子に座って、私の仕事が終わるのを笑顔で待ってくれている。
記すべきことを書き終え、カルテを鍵付きの引出しにしまってから「行こうかアギト」とオフィスチェアから立ち上がる。アギトは「はいっ」と良い返事と共に宙に飛び上がり、そわそわと私の肩の上を飛び回る。私は「ふふ」と笑みを零してしまう。
トントンと自分の肩を人差し指で叩くと、アギトは「やった♪」と嬉しそうに私の肩に降り立って座った。それを横目で確認して診察室から出て、中庭を目指す。天気が良い日の昼食は、中庭で食べることになっているからだ。

「あの頃に比べれば、アギトも自分の意見を態度で示す様になったな。最終的には、今のように遠慮しようとせず、言葉にしてくれればいいんだけどな」

今では表情も豊かで、エリーゼやアンナ、それにモニカにルファ、アムルの住民とも普通に会話できる。イリュリアのアムル侵攻から半年。それだけ経過すればそれくらいは当然だろう。しかしまだ私に対して遠慮がある。そもそも、マイスター、という呼び方からして間違っているような気がする。とは言え変更できない程に定着してしまっているから、今さら呼び方を変えろなんて言えない。

「やっぱりマイスターだし、遠慮とかしちゃうよ」

「う〜ん、友人として見てもらいたいというのが正直な本音なんだけどな」

「・・・マイスターは、いつかベルカから居なくなっちゃうんだよね・・・?」

まさかそんな風に切り返されるとは思ってもみなかった。が、それが事実であることは間違いなく、「そうだよ」と答える。

「だったらあたしはオーディンさんの友人より、マイスターの融合騎である方が良いです。それなら置いていかれないから」

「アギト・・・」

アギトは私へ楔を刺そうとしてきた。終わりのない従者の関係という楔を。しかしそれは叶わないこと。いずれ私はベルカを――いや、世界そのものから消え去る。だがそれを今ここで言ってしまうことは出来ない。あぁ考えなしだったか。アギトを引き取ったのは。違う。後悔はない。後悔はないんだが、アギトが悲しむのはやはり彼女の未来を知る者として辛い。

「アギト。エリーゼ達は好きか?」

「えっと、うん、好きだよ。良い人たちだから」

「そっか。それなら良いんだ」

もし私が世界より去る時が来れば、アギトはエリーゼ達に託そうと考えている。ベルカは滅ぶことになっているが、ベルカに住まう人間が息絶えるわけじゃない。大半が他世界へと渡る。エリーゼ
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