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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth4果て無く旅せし魔導書〜Grimoire des nachthimmeL〜
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ベルカに数多く存在している国家の中でも領地の大きさで言えば随一であるイリュリア。
イリュリアは領地の大きさだけでなく歴史においても他国の追随を許さない。そのうえ保有する騎士団や戦術・戦略兵器などと言った武力、融合騎開発や古代の魔導と言った技術面にも優れている。他国との差を挙げていけばキリがない。
――イリュリアが滅ぶ時、ベルカの歴史は動く――
そうとまで言われるほどの古く強大な大国イリュリア、その王都スコドラ。
スコドラの中心にそびえ立つ王城の一画、イリュリア王家の第一王女テウタに与えられた領域内の一室にて、数人の人間による秘密会議が行われていた。
「
三連国
(
バルト
)
との全面戦争を前にして躓きなど。嘆かわしい」
「まったくだ。シュトゥラなどと言う眼中にない国に、すでに4つの騎士団が潰されている。これでは先が思いやられるぞ」
「バルデュリス王子も馬鹿なマネをしてくれたものだ。ラキシュ領主に踊らされるとは。その所為で我らの盟友ワイリーの
血染めの死神騎士団
(
マサーカー・オルデン
)
を失ってしまった。最早テウタ王女に懸けるしかなかろう。頭脳と武才のあるテウタ王女こそ、この戦乱の時代を往くイリュリアを導くに相応しい」
「賛成賛成。ゲンティウス陛下ももう使えないし、そろそろ王位継承争いを決着させて、さっさとベルカ統一と行こうぜ」
「そうね。ベルカは元々我らイリュリアの世界だった。テウタ王女の御名の下に取り戻しましょう」
「決まりだな。ではテウタ王女を次期皇帝とするを目標として動く」
リーダー格の男が率先して立ち上がり、剣を胸の前に掲げた。それに倣い、他の者たちも一斉に立ち上がって各々の得物を胸の前に掲げてみせた。そのどれもにカートリッジシステムと呼ばれる機能が付いている。全員が名のある高位騎士であり、他国にまでその名を轟かせている騎士団を率いている。
「我ら栄えあるイリュリアン・リッター。誇りを胸に、誓え、我らが魂がベルカ統一の礎とならんことを」
「「「「「ベルカの地にイリュリアの繁栄をッ!」」」」」
高らかに誓いを口にする。そして「では解散」というリーダー格の男が告げると、他の騎士たちはそれぞれの騎士団の詰所へと戻っていく。最後に部屋を後にするリーダー格の男ともう1人の男。石造りの廊下を2人きりで歩み、ひそひそと会話する。
「なあ大将、知ってっか? 半年前にワイリーら死神騎士団、そしてここ最近の騎士団を潰したの、たった1人の男らしいぜ」
「無論だ。シュトゥラから生きて戻った連中から報告を貰っている。銀の長髪に、
遥かな蒼
(
ラピスラーツリ
)
と
輝ける紅
(
ルビーン
)
の虹彩異色、そして魔力で構成された剣の翼。幾つもの魔導を同時に発動させ、なおかつ効果範囲が出鱈目に広い。そのうえ変換資質
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