プロローグ
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男性将官は、巌谷榮二¥ュ将。
ザンジバル改級機動巡洋艦ユグドラシルの艦長で、エインヘリアル艦隊の整備部隊を指揮する歴戦の勇士だ。
パイロットとしても指揮官としても、とても優れた人物だ。
俺よりも階級は高いが「俺のような老害がでしゃばる場じゃ無い」と言って艦隊司令の座を俺に譲っている。
「そういや、地球に降りるそうだな」
「はい、艦の補修も兼ねて補給と慰安をと思いまして。
最近は連戦続きでしたから」
「うむ、なら艦とMSを有重力下仕様にしておかんとな。
最近は海賊が横行していると聞くし……」
「地上軍は何してるんすかね……治安維持は軍事の基本なのに。
っと、クッキー焼けましたよ。
紅茶も飲みますか? あ、コーヒーの方が良いですか?」
「いや紅茶で構わんよ、君の紅茶は格別だからな。
しかし君の紅茶は本当に美味い、誰かに習ったのか?」
「ええ、姉に習いました。
暇さえあれば「ティータイムの時間ネーッ??」って感じで毎日拉致されてましたよ。
それでいて、そんじょそこらの店より美味いもんだから、味を占めちゃいましたよ。
それで自分から習ったんです」
古き良き記憶に浸る。
金剛型弩級戦艦1番艦、金剛。
英国生まれの陽気な人…いや、艦だった。
彼女の作る洋菓子も格別で、3時のおやつ刻には金剛の部屋に行くのが日課だった。
特にスコーンが美味かった。
あの味は22年経った今でも、未だに再現出来ない。
「それは是非一度味わいたいものだな」
「……そうですね」
もう2度と逢えない、その事実を知っているから、俺は感傷に浸ることしか出来なかった。
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