プロローグ
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艦長席に座っている、リンドヴルムの艦長、フィカーツィア・ラトロワ≠ェ、心配そうに肩をつかんで揺すりながら顔を覗いていた。
艦隊司令であり、提督でもある俺の最も信頼する副官であり、Jr.スクールからの付き合いになる同僚だ。
「……わかった、後を頼む」
「真っ直ぐ帰って寝るんだぞ。
間違ってもMSデッキに行くなよ?」
「わかってるよ、餓鬼じゃあるまいし」
メインブリッジから出て真っ直ぐ自室へ向かう。
思えば、あれから20年以上経っているのか……。
加賀や隼鷹は達者にしているだろうか。
加賀はともかく、赤城はボーキサイトのつまみ食いの癖は治したのだろうか?
案外空母勢を巻き込んでいそうではあるが……。
親父も元気で居ればいいが…。
22年前、俺は親父の鎮守府に半年間世話になった。
そこで演習に無理を言ってついて行ったのが、俺の運命を大きく変えることとなった。
深海棲艦の急襲で、俺の乗船していた加賀は多数被弾、運悪く俺の目の前の隔壁を敵の砲弾が貫き、爆発。
俺は死んだ。
死んだ筈だった。
だが俺は生きていた。
この世界に、この似て非なる世界で、確かに生きていた。
何故かは知らない。
でもここにも俺の親父が居て、何故か知らないが妹も出来た。
既に霞みはじめた記憶に残る、鎮守府の皆……。
皆と交わした約束を守る為に、俺はこの道を選んだ。
宇宙世紀0100年、ジオン共和国が地球連邦政府へ自治権返還。
俺がこの世界に来てから、22年が経った。
???
翌日 8月9日
地球連邦宇宙軍第8艦隊特別即応艦隊。
艦隊名エインヘリアル=B
宙賊や反連邦武装勢力など、明確な敵意を持つ、MSを不正所有する危険分子の討伐を目的に結成された艦隊だ。
艦隊は3隻の艦艇により構築され、艦隊旗艦は俺の座乗するアーガマ級改修型強襲巡洋艦リンドヴルム。
嘗てグリプス戦役を戦い抜いたエゥーゴの旗艦、アーガマ改修型そのものであり、グラナダのグリプス戦役終戦記念館にモスボール処理されて居たものを、月のフォンブラウンにあるアナハイム工廠で近代化改修を施した艦だ。
第1次ネオジオン抗争時に装備されたハイパーメガ粒子砲は勿論、対艦ミサイルを始めとする各種弾頭を発射可能なVSLも1基から3基に増設。
メガ粒子単装砲の出力向上、対空機銃の増設、MSの搭載機数も、両舷デッキ各4機から各5機へ変更され、約3個小隊が運用可能になった。
ザンジバル級機動巡洋艦ユグドラシル。
1年戦争時にソロモン宙域で中破した2隻のザンジバル級の内の1隻を改修した艦艇だ。
もう1隻はエゥーゴによって運用されたが、ユグドラシルは連邦軍に保管されて居た為、状態が良かった。
その為エインヘリアル結成時に艦隊に編
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