第10話:おはなみに行こう!−1
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本格的に魔法理論を勉強する機会にはあまり恵まれてこなかった。
そのため、なのはは魔法理論を苦手としていた。
もちろん、それが問題であるとはなのは自身も認識していて、
折を見て自学自習をしてはいたが、人に教えるほどの自信は持ち得ていなかった。
「そうなんだ・・・。 じゃあ、わからないことができたらパパに訊くね。
ところで、何をすればいいの?」
ヴィヴィオは微妙に悲しげななのはの表情を見て、どう言ったものか一瞬悩んだが
早めに話題を切り替えるべきだと判断し、お手伝いの内容について尋ねる。
すると、なのはは優しげに微笑みながらヴィヴィオを見下ろした。
「サラダをつくってくれる? お野菜は冷蔵庫の中に入ってるから」
「どんなサラダ?」
「それは、ヴィヴィオにお任せだね。 頼める?」
「うん、任せて!」
ヴィヴィオはなのはに向かって頷くと、まわれ右をして冷蔵庫のドアを開けた。
(えっと、レタスときゅうりとトマトかぁ。 ちょっとものたりないかな)
続いて冷蔵庫の隣にある戸棚を開ける。
そこには缶詰や乾物のような保存のきく食品が収められている。
(あ、コーンとホワイトアスパラがある。 冷蔵庫にハムもあったし、
豪華なサラダにできそう!)
戸棚から缶詰を2つ取り出すと、なのはの方へ振り返る。
「ママ。 これ使ってもいい?」
フライパンの中のベーコンを皿に移していたなのはが頷く。
「好きに使っていいよ」
「ありがとう、ママ。 あと、冷蔵庫のハムもいい?」
「あれはお花見のお弁当に使うからダメだよ」
「そっかぁ。 うん、わかった」
一瞬表情を曇らせるヴィヴィオであったが、すぐに笑顔に戻って頷く。
そして食器棚からサラダボウルとより大きめのボウルを、冷蔵庫からは
野菜を取り出すと踏み台に上ってシンクに向かう。
大きい方のボウルを使って、まずはレタスを洗い始めるヴィヴィオ。
レタスを洗い終えてサラダボウルに移すと、今度はキュウリとトマトを洗う。
それらも洗い終えると次にまな板と包丁を取り出して切り始めた。
隣でオムレツを作り始めたなのはは、一瞬ヴィヴィオの手元に目を向ける。
が、その手つきに安心したのか、口元に小さく笑みを浮かべると、
オムレツ作りに戻った。
危なげない手付きでキュウリとトマトを切り終えたヴィヴィオは、
洗って水を切ったままの状態でサラダボウルに入れてあったレタスを
ちょうどいい大きさにちぎると、見栄えが良くなるように盛り姿を整える。
そしてその上にカットしたキュウリとトマト、缶詰のホワイトアスパラやコーンを
きれいに並べていくと、ヴィヴィオは満足げに笑う。
「ママ、これでどうかな?」
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