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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 劉備 関羽 董卓 賈駆
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かったと思っていますよ?」
「え?」
「詠ちゃんがいなかったら、私はきっと一族に殺されていたかもしれませんけど……それでも自分の才覚以上に過分な地位になってしまったと思っていましたから」
「……一族に? そういや君は董太后の外戚でもあったな……」
「……本当にそうかは分かりません。周囲はそうだと口を揃えていましたけど、董太后様のことは周囲に言われるまで全く知りませんでしたので……」

 お父様もお母様も、董太后と自分たちの血が繋がっていることに半信半疑でした。
 ですが、周囲はそれを信じて喧伝し、一族の地位をあげようとしていました。
 そして親族たちは、董氏の家督を奪おうとしていたのです。

 幼なじみの詠ちゃんがいなければ……その親族たちに、私も家族も殺されていたかもしれません。
 詠ちゃんは、親族たちが西の蛮族である胡と共謀して攻め込んできた時に、策を講じてそれを撃退しました。
 その功績を全部私の成果として、当時并州刺史だった段珪さんに報告しました。

 御蔭で私は、中央の役所に推挙されて立身が叶ったのです。
 それは、私を追い落とそうとする者たちへの牽制としての手でした。

 でも、そのことが陛下を連れて逃げてきた段珪さんの……要請を断れない要因となってしまったのは、因果というしかないのかもしれません。

「……災難だった、な。すまない、こんなことしか言えなくて……」
「いいえ……全部、状況に流されてきた自分のせいですから」

 そう……いろんなことを詠ちゃんに任せておいて、私は誤った決断ばかりしたような気がします。
 全部、私自身のせいなのに……

「……そっか。詠は……君にとって無二の親友なんだな」
「はい。私は詠ちゃんに救われました。だから私も、詠ちゃんのためにできることをしたいと思っています。でも、私はいつも詠ちゃんに迷惑をかけてばかりで……」
「今回、俺の提案に乗ったのはもしかして……詠の為かい?」
「はい」

 私は、すぐにそう答えました。
 あのままだと、きっと詠ちゃんは私の身代わりに自分が死ぬと言い出すと思いました。
 私を逃して、自分は私の代わりに『董卓』として死ぬ道を選ぶ。
 きっと詠ちゃんなら……そうして私を逃がそうとすると思ったから……

 だから華雄さんが連れてきた馬岱さんと趙雲さん、そして鳳統さんを献帝陛下に引き会わせました。
 詠ちゃんの反対を遮ってまで。

 もし、彼女たちが献帝陛下を害するなら……私自身が盾になるつもりでした。
 私が死ねば……詠ちゃんだけは、助かったはずです。

「詠ちゃんに死んでほしくありませんでした……私の為に、詠ちゃんはいつも苦労してきました。だから私の命に変えてでも、詠ちゃんを助けたかったのです……」
「……
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