拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 劉備 関羽 董卓 賈駆
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の各国のように、共同墓地に名前だけの墓を作っていたのだろうか?
いや、この時代ならそれすら行われていなかったのだろう。
兵として死ぬということは、屍は野辺に朽ち、名前は風と共に消えるのがこの時代の『普通』なのだろうから。
(こんな時代に俺は今居て……盾二は、そんな時代に俺を庇って二年も一人で生きてきた)
劉備さんや関羽さん、張飛さんや趙雲さん……孔明ちゃんや鳳統ちゃんと出会ったとはいえ。
そんな英傑たちと親しくなって、居場所を作ってきた。
もし俺が一人で放り出されていたら……そんなことが出来ただろうか?
(というか……あんな美少女たち相手じゃ、俺なんか萎縮しそうだけどなぁ)
三国志の英傑たちが、見目も麗しい少女になっているこの世界だ。
やりにくくてしょうがなかったように思える。
その意味じゃ、アーカムでも年上の女性に好かれまくった盾二が居たことは、幸いと言えるかもしれない。
(いやいやいや。俺だってその気になれば……たぶん、きっと……その、だったらいいなぁ)
トホホ……自分で考えていて悲しくなってきた。
童貞の俺には、彼女たちに囲まれた未来が全く想像できない。
(そもそもなんで盾二ばっかり好かれるのかな……俺だってそんなに負けてないと思うんだけど)
思わずその場でニヒルに格好つけてみる……駄目だ、鏡がないと確認できん。
(盾二は完璧そうに見えて、実は泣き虫で脆い部分もあるし……結構自分勝手に物事を決める部分もある。決して完璧超人ってわけじゃないしな……なんでモテるんだろ?)
まあ、責任感は強いし、基本真面目で一生懸命で無茶するからなぁ。
いろいろ背負いすぎるのは、見ていて危なっかしいところもあるんだけど。
(そういや、ティアさんも盾二は絶対女の子にもてるって言っていたな。俺には微妙とか、庇護欲はあるとか言われたけど……)
何故かは教えてくれなかった。
それが分かれば、俺でもモテるのかな……?
(あと、盾二は御神苗先輩に似ているとかジャック先輩が言っていたっけ。俺や大槻はそんなことないって言ったら、盛大に呆れられたけどな。まったく……意味がわからん)
あの二人に共通する点か……むっつりスケベ?
いやいやいや……女に奥手ってところか?
御神苗先輩も、実は結構モテるらしいしな。
トレジャーハンターの染井吉野とか、古代言語の天才、山菱理恵教授とか……
「うーむ……わからん」
「は?」
「へ?」
思わず呟いた言葉に返答され、周りを見る。
すっかり忘れていたが、ここは葬儀の設営中だった。
俺は設営の兵達の胡乱げな視線に耐え切れず、その場から逃げ出した。
―― 関羽
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