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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 4
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りと体を休めた翌日。
 私はその部屋に入ると、思わずそのまま振り返って部屋を出ようと――

「どちらにいかれるのですか! すぐに取り掛かってください。時間がないのですよ!」

 あう……愛紗ちゃんに引き止められた。
 思わず溜息が出てしまう。

「……気持ちはわかりますが、諦めてください」
「……うん。わかってます……」

 開けかけた扉を閉め、再度振り返る。
 そこにあったのは――机の上に乗りきらず、床の上から天井まで届きそうな……竹簡の山。

「……愛紗ちゃん」
「お気持ちはわかります。ですが、ご主人様や朱里たちは部屋を埋め尽くす程の量をこなしています。諦めてください」

 とほほ……

「……うん。がんばるよ! ご主人様に負けられないもんね!」
「はい。それに今日は午後から予定通り……」
「……うん。そうだね」

 そう。
 今日の午後には大きな行事がある。

「馬正さん達の……葬儀があるんだもんね」




  ―― 一刀 side ――




「えーと……戦没者の数は、これで全部?」
「はい……行方不明を除いて死亡が確認したものだけですが。本来は、仮埋葬や風葬(ふうそう)して白骨化してから再度埋葬したりするのですが……」
「ああ、うん。盾二が日本の……天の流儀で火葬して骨を骨壷にしたからね。それがあの棺に入ってる」
「……確かに、この方法ならば多くの兵の骨を持ち帰れました。家族も泣きながら感謝しておりました。そして将軍と共に葬っていただけるなど恐れ多いとも……」
「……そっか。ご苦労様」

 苦笑した俺の言葉に、その兵は拝礼して仕事に戻っていく。
 俺は、その場に並べられた花々を見ながら目を伏せた。

「きっと盾二じゃなきゃ、こんな大掛かりな葬儀もしたかどうか……」

 本来の歴史でも、三国志の頃なら将軍クラスであった馬正の葬儀はしたかもしれない。
 でも、盾二は馬正だけでなく、戦没した兵士の葬儀も等しく扱うようにした。
 その家族に恩給も出し、こうして梁州を護った英霊として祀ったのである。

「……盾二はただの自己満足だっていうけどさ。それでも皆、やっぱり感謝しているんだぜ……」

 自分の家族が死ぬ。
 それが将軍だろうが、ただの兵だろうが、一つの命に代わりはない。
 命の軽いこの時代でも……いや、だからこそ、だ。
 それを真摯に受け止めて葬儀を行うことに対して、誰が文句を言うだろうか。

 二千年後の擦れた人間なら、否定する者もいるかもしれないが……

(今後の歴史を考えれば、こんな葬儀が出来る機会はもうないかもしれない。だからこそ、今出来る人に対してはやりたい。うん……気持ちはわかるさ、盾二……)

 かつての戦時中
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