拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 劉備 関羽 董卓 賈駆
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
……嫌がらせにしても動きが早すぎだな。さすがは曹操……やってくれるよ、本当に」
「あう……たった二月で、こんなになるなんて……」
雛里の溜息。
その様子に傍で見ていた二人の少女――董卓と賈駆は、互いに顔を見合わせる。
「……曹操が、一体何をしたってのよ?」
「ん? ああ……単純に言えば嫌がらせだよ」
「嫌がら……せ?」
「ああ。今回、献帝陛下の後見を曹操にさせるように動いたからね。その腹いせに水関と虎牢関での戦闘で、あることないことを流言でばら撒いたみたいなんだ。しかもかなり脚色した内容で、正に大陸一の英雄みたいにな」
「……それが、どうして嫌がらせになるのでしょう?」
「はい、仲穎さ……いや、月。要は面子の問題なのさ。曹操は俺に功を譲られたといきり立っていてね……だもんで、劉備軍を英雄扱いすることで俺への当て付けにしたってわけで」
「……確かに曹操ならやりそうね。あんた、めちゃくちゃ恨まれているんでしょ?」
「………………」
賈駆の言葉に、苦虫を噛み砕くような顔で答える盾二。
その様子に、横でクスって笑う雛里。
「しょうがないと……思います。噂になっている内容も脚色はありますけど……大まかにはあっているみたいですし」
「ああ……だから文句も言いがたいんだよな。条件に喧伝する条文も入れたのが裏目に出たか……」
「それを見越して、か。曹操ってのもかなりやるわね。アンタの揚げ足取るぐらいのことするんだから」
「あの……詠さん? もしかして、俺になにか含むところあったりします?」
「いーえ? な〜にもありはしませんのことよ?」
「………………」
その言葉に、ジト目で賈駆を睨む盾二。
だが、すぐに溜息とともに視線を外した。
「ただでさえじゃがいものことで『梁州に来れば食べるに困らない』なんて言われだしているんだ。こりゃ、早急に人口対策取らないとまずいな……」
「……その噂も本当だったのね」
「まあ、食糧問題は開墾地を増やしているからなんとかなったけどね。それでも無作為に人口が増えればそれが追い付くかどうかの問題もあるし、今度は土地の保証などの利権問題も……むう」
「あぅ……また竹簡に埋もれるんですね」
盾二と雛里がそろって溜息を吐く。
その様子に董卓はオロオロとして、賈駆は肩を竦めた。
「ま、ご愁傷様。せいぜい頑張って働くのね」
「……人事みたいに言っているけど、君もだからね? 詠」
「な、なんでよ! あんた、私と月に……」
「『名前を捨ててもらう以上、お茶汲み兼使用人のような事をしてもらう』と言ったのは、月にだよ?」
「――え”?」
賈駆の顔がギッと固まった。
「当然、天下の賈?……じゃない、賈駆文和のような有能な人物をそんな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ