第88話 少女たちは集結するようです
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囮に選んだ理由は、他の三人より魔法の腕が劣っているからと言う訳ではない。
蛇人竜の動きを見つつ攻撃を避け、高速移動しつつ建物群の間を抜けて行ける"目"を持っているからだ。
そうでなければ、時折遺跡を破壊しながら死角からも迫る相手に、ここまで逃げきれてはいない。
「み・え・たっっ!!」
ギュワンッ!
『委員長、ベアトさん!今です!!』
目的地に到達と同時、コレットがほぼ直角に上昇した事で、蛇人竜は建物に突っ込む事を防ぐ為急停止した。
僅か2秒程の時間の停止だが、あの地獄の修業を経た夕映にとっては十二分に過ぎる隙であり、
そこを狙って作戦を立てる事も容易だった。
「あーもう、どうなっても知りませんわよ!『隆起霧鉄』!!」
ザザザザザザザザザザザザザ!
「『風花旋風風牢壁』!!」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
「"フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ!崩れ去れ 天帝の陵墓 麒麟を斫る!
『楼止閣往』"!!」
ガキィン!
エミリィが砂鉄を滝の様に降らせ、ベアトリクスがそれを巻き上げ、更にそれを夕映が空中に固定する。
一粒一粒の束縛力は小さいが、限定された空間と量により竜種でさえ十秒程動きを封じられる。
その間に、コレットの詠唱が完成する。
「"アネット・ティ・ネット・ガーネット!ものみな 焼き尽くす 浄化の炎
破壊の王に して 再生の 微よ我が手に宿りて 敵を喰らえ!
『紅き焔』"!!」
ゴォゥ!!
『全員全速力で逃げるです!!』
放たれたのは、火の中級魔法。普通ならば下級の竜種にさえ防がれるものだが、撃たれた場所は
限定空間であり、かつ微粒子が無数に浮遊している。当然、その結果は―――
SghurA―――
ズドォドドドドドドドドドドドドドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!
「「「「きゃぁああああああああああああ!」」」」
天高く昇る火柱と耳を劈く轟音、街まで響く揺れ。夕映が狙ったのはただの粉塵
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