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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第46話 王都の休日? 休んでないのに休日?
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もらいましょう。いざとなれば、製作者はマギ(故人)と言えば良いですし」

 私が笑顔で答えると、カトレアはあきれた様な顔をしました。

「それでカトレアは何故ここに居るのですか? 虚無の曜日は明後日だったと記憶していますが……」

「ギルが心配だったからよ」

「私が心配?」

 私の心底不思議そうな態度に、カトレアはため息をつきます。そして心を落ち着けるように少し間を取ると、急に真剣な表情になりました。

「……ギル」

 何か嫌な予感がしますね。

「人を殺したんですってね」

 ドクン

 カトレアは私をまっすぐ見つめながら言いました。

「今回が初めてでは無いですよ」

  ドクン    ドクン

 先程から何か五月蠅いと思ったら、自分の心臓の音でした。

「確かアルノーと言ったかしら」

    ドグン

 心臓が跳ねたのが分かった。訳が分からなくなり、まともな思考も出来なくなる。

「ギル」

「カトレ……うっ」

 気がついたらカトレアに抱き締められていました。

「ギルが責任を感じることなんてないのよ」

「……でも」

「でもじゃない。ギルは人を殺す事に罪悪感を覚えすぎよ。

 ……ギルは自分の存在が、不幸な人を作るかもしれない事を恐れているのでしょう。

 でもそれは違う。ギルは人を守っているの。

 ギルは神様じゃないから全ての人間は救えない。如何してもその手からこぼれおちてしまう人が居る。

 ギルはそれが許せないのでしょう。

 両手からこぼれてしまった物ばかり見て、その手に残った物にさえ責任を感じていたら潰れてしまうわ」

 どっかの赤い弓兵みたいな事を言われました。

「ギル。私は真面目な話をしているのよ」

 カトレアの抗議に、私はカトレアを抱き締める事で答えました。

「ちょ ギル」

「心配をかけてしまいましたね」

 カトレアの言いたい事は良く分かります。今回私が手にかけたのは、アルノーさんと違い自らの意思で外道な事を行ったのです。そしてその矛先が、私が守るべき領民(ヒト)達に向けられたなら、守るのは至極当たり前の事です。

 よく言われますが“奪うなら奪われる覚悟を、殺すなら殺される覚悟をしなければならない”と言います。

 殺した後に罪悪感に(さいな)まれるのは、この覚悟が出来ていない証拠と言えるでしょう。

 そして恐らくカトレアは、私の歪みを指摘しないように気を使っていますね。その証拠に、私の前世(マギ)について一切触れようとしていません。

 先程の理不尽な怒りも、心配の裏返しなら逆にありがたい位です。

「本当にカトレアにはかなわないですね」


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