第6章:女の決意・男の勘違い
第40話:名前を正しく呼ぶのは、人としての礼儀だと思う
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考えて低姿勢で自己紹介をするリュカ
「キサマの名前なんぞ知るか!」
「そうだねぇ……魔族の王様は他人の名前になんて興味ないよね。うん、凄く立派な生き方だし、僕等もそれに倣おう! じゃぁよろしくねデブピエロ君」
奴の名前を呼ばない態度にご立腹なリュカ……もう一波乱ありそうだ。
「デ、デブピエロだと!? 頭悪いのかキサマ! 俺の名前はデスピサロだ、間違えるな!」
「名前なんぞ知るか! お前の生き方に合わせてやったんだろ。ちゃんと名前を呼ばれたいんだったら、お前も『人間』と呼ばず各々の名前を正しく呼べ! 記憶力が壊滅的に悪く、憶えられないのだったら別だが……どうなの?」
「ふざけるな、解ってて呼ばないんだ! そんな低脳ではない!」
「じゃぁ改めて……僕の名前はリュカです。呼んでごらん」
リュカは再度自己紹介をし軽く両腕を広げ受け入れる様に呼ばれることを待つ。
デブピ……デスピサロは歯を食い縛り血管を浮き出させて睨んでる。
「ピサロ様……リュカさんの仰る通りですよ。私達はもう仲間なんですから、名前を呼び合うのは当然です! それに従わないなんて本当に馬鹿だと思われますよ」
「ロ、ロザリー……」
リュカやシン君達と共に生活することで、自己主張をすることの意味を理解したロザリー。
デブピ……デスピサロのお人形さんから、本当の意味で自立したみたいだ。
やっぱりリュカと一緒に居ると、みんな成長するんだわ。
「ロザリー様の仰る通りですよデスピサロ様。それに人間ばかりのパーティーですから、『人間』と呼んでいては誰のことやら……」
「ラピス……お前もか」
ラピスの言うことは尤もだ。
『おい人間!』とか『おい女!』とか呼ばれても、私のことなのかマリーのことなのか……はたまたリューノ・リューラかアリーナさんやマーニャさん・ミネアさんなのか、判断など付くはずない。
「いっそロザリーとラピスも、彼のことをデブピエロって呼んじゃえば。自分にとって大事な人が考えてくれた名前が、どれほど大切な物なのか解らない男には、それ相応の対応が必要だと思うんだよね。二人にデブピエロって呼ばれれば、その辛さを深く実感できる」
「そうですわピサロ様……いえ、デブピエロ様! 皆様にはご迷惑をおかけしたのだし、協調性を持って共にあることを受け入れるべきですわ!」
「ロザリー様のご意見に私も賛成ですデスピサロ様……いやデブピエロ様!」
可愛そうにロザリーとラピスから責められ、悔しさと悲しさの入り交じった表情をしている。
あぁそうか……奴の悪いクセが解ったわ!
自分にとって納得がいかないことがあると、直ぐに人の所為にする傾向がある男なのね。
“お前の所為で……”って感じでリュカを睨んでいるわ。
どのくらいの期間になるか判らな
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